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中共 EUV露光装置を極秘開発か 

2025/12/18
更新: 2025/12/18

ロイター通信は17日、中国共産党(中共)が深センにある高度な機密施設で、最先端半導体の製造に不可欠なEUV露光装置を極秘裏に開発していると報じた。

関係者によると、試作機は2025年初めに完成し、EUVの発生には成功しているが、先端チップの実用生産には至っていない。この段階に入ったこと自体が、アメリカと同盟国が越えさせまいとしてきたハードルだった。

特に問題視されているのは、この計画の中核技術がいわゆる「自主開発」によるものではなく、西側の技術を分解・分析する形で進めている点だ。プロジェクトには、オランダの半導体製造装置大手ASMLの元エンジニアが多数関与しており、退職後に高額報酬で引き抜かれた例も少なくない。中には偽名や偽の身分証を使って作業するよう求められたケースもあり、計画全体は国家安全保障上の極秘案件として扱われているという。

EUV露光装置は、現代の半導体製造において中核をなす存在とされる。現在、世界でこの装置を製造できるのはASMLのみで、1台あたりは約2億5千万ドルとされる。アメリカはオランダや日本と連携し、中国への輸出を厳しく制限してきた。

関係者によると、試作機に使われている部品は、中古市場や旧型装置の解体品、さらには仲介会社を介して複雑な経路をたどったものなどで、最終用途を隠し調達していたという。

中共内部では、この計画は「中国版マンハッタン計画」と呼ばれ、習近平の側近である丁薛祥が主導しているとされる。ファーウェイが全体の調整役を担い、全国の研究機関や1千人以上のエンジニアを結集している。

関係者の一人は、中共の最終目標は、完全に国産の装置のみで先端チップを製造し、サプライチェーンからアメリカを完全に排除することだと語った。

ただ、現実は厳しく、最大の障害は光学系にある。ASMLの装置には、ドイツのカール・ツァイスが提供する世界最高水準のレンズ技術が使われており、中共は現時点でこれを再現できていない。

それでも、中共内部では開発スケジュールが組まれており、公式には2028年までに、この試作機を用いて実用可能なチップを生産するとしている。関係者は非公式には、より現実的には2030年ごろになるとの見方を示している。

それでも、このスケジュールは外部の予測よりかなり早い。これまでの分析では、中共が半導体分野で西側に追いつくには、少なくとも10年はかかると見ていた。

オランダの情報機関は4月に公表した報告書で、中共が長年にわたり、組織的な人材引き抜きや技術の不正取得、秘密裏の協力関係を通じて、西側の重要技術を入手してきたと警告している。

報道によると、ヨーロッパの個人情報保護法制は、ASMLが元従業員の動向を追跡することを制限している。従業員は機密保持契約に署名しているものの、国境を越えた執行には現実的な困難があるという。