中国農業農村部は23日、北京市房山区にある2カ所の養豚場でアフリカ豚コレラ(ASF)の発生を確認したと発表した。中国では現在、20の省にASFの感染が広がっている。
農業農村部が同日に行った記者会見では、同部牧獣医局の馮忠武・副局長は「感染件数が増え続けている」と述べたうえ、ASFの早期発見が難しいと認めた。
馮副局長は、中国の養豚場ではレストラン、学校、企業などの食堂から出る食べ残しを豚の餌として利用していることが、ASFの感染源の一つだと指摘した。
副局長は、人間の食べ物や食品にASFのウイルスが潜んでいると示唆した。しかし、食べ物がどのようにASFウイルスに汚染されたのかは言及しなかった。
中国当局の公表によると、22日までにASFが中国20の省、47の市に広がり、73例が報告された。60万頭以上の豚が殺処分された。
同記者会見に出席した中国動物衛生および流行病学センターの黄保続・副主任は、国内ASFの感染拡大の主要ルートが3つあると指摘した。食べ残しによる感染は、全体の34%を占める。また、地域間の豚、豚肉の輸送による感染は19%、人間および運送車両によるウイルスの伝播は46%を占めるという。
航空会社「厦門航空」は、24日から全便の機内食に、豚肉、豚肉加工品を使わないと決定した。ASFが発生以来、初めて豚肉料理を禁止した国内航空会社となった。中国メディアは、国内のASF感染の深刻化を浮き彫りにしたと指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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