ケニア警察、中国籍5人を逮捕 軍用品で違法な警備会社を計画か

2018/10/13
更新: 2018/10/13

アフリカケニア警察当局は10月5日、国の安全保障に深刻な脅威を与える可能性があるとして、中国人民解放軍の軍服など軍用品を所持していた5人の中国籍の男女を逮捕した。警察によると、5人は軍用品を使い違法な警備会社を経営しようとしていた。

警察は首都ナイロビのラビントン地区で、中国籍の男4人と女1人を拘束した。押収品は発煙弾、催涙ガススプレー缶、金属探知機、迷彩服、軍用ブーツ、ノートパソコン、トランシーバーなど。

記者団の質問に答えた現地移民局局長アレックス・ムテシ氏によると、5人は認証された労働許可証を受けていない。ムテシ氏は押収品を記者団に公開した。

ムテシ氏によると、中国人が軍用品を用いた違法な警備会社を経営することを計画しているとの情報を入手し、警察が捜査を行っていた。「安全を脅かすものとして深刻な事案と受け止めている」と述べた。

ケニア首都ナイロビで逮捕された中国籍の男女5人。違法な警備会社を経営しようとしてたとみられる(ケニア司法当局が公開)

この事案を受けて、移民局は安全保障当局と協力して、さらなる調査を行うという。また、ケニア内務省の指示にしたがい、有効な就労許可証を持たずに活動する不法移民や外国人を引き続き拘束すると述べた。

中国共産党政府は、アフリカとの関係をますます重視している。石油やレアアースなどの豊富な資源の確保や、中国傾向の世論を求めて国際的な影響力の拡大、12億5千万人の若者中心の人口に対する先行投資などが理由に挙げられる。

同時に、多くの中国人が移住しており、アフリカ全体で100万人以上が住むと考えられている。日本外務省によると、ケニアは首都ナイロビでも一般犯罪の頻発する国だが、中国人関与の犯罪も近年は報告されている。

2018年5月、3人の中国人が、偽造品数百万ケニア・シリング(1シリング=約1・1円)相当を取引しようとして逮捕された。3人は、ケニヤッタ国際交流場で開かれた、石油ガス国際貿易展示会の出店者からの通報により、偽造防止当局の調査を受けた。

9月19日、12人の中国人がナイロビ群で売春罪で逮捕された。移民局長ムテシ氏は当時、8人の少女と4人の男を逮捕したと発表した。12人は捜査の後、空港に移送され、国外退去処分となった。

(編集・佐渡道世)