世界各国から米国ワシントンDCに集まった法輪功学習者1万人余りは20日、ホワイトハウス周辺でパレードを行った。学習者らは、「世界が真・善・忍を必要としている」「法輪功への迫害を停止せよ」「共産主義の最終目的は人類の滅亡だ」「道徳の回帰こそ、人類にとって唯一の希望だ」などの横断幕を掲げて進行した。
パレードは当日の昼頃行われた。キャピトル・ヒルから出発し、ペンシルベニア大通りなど市内の主要な通りやホワイトハウスを経由して、目的地のワシントン記念塔に到着した。多くの市民や政府関係者が次々と足を止めてパレードに注視した。
中国共産党政権は1999年7月、気功グループ法輪功の人数が共産党員を上回ったことを危惧し、弾圧政策を実施した。過去19年間で、確認されただけで4226人が迫害を受け死亡した。一部の学習者を対象に行われた強制臓器摘出も近年、調査で明るみに出た。
米国の学習者は、中国当局の弾圧に抗議するため、毎年ワシントンDCで活動を行っている。今年で19回目の開催となった。
活動の運営担当者・范林莎氏によると、19年間、米政府によって中国共産党政権に圧力を掛けるよう、米在住の学習者は各レベル政府機関や議員に粘り強く陳情してきた。
「今、われわれの活動を支持する議員や政府関係者と市民は多くいる」
学習者の声
クリス・キッツェ(Chris Kitze)さんは、米シリコンバレーの著名企業家だ。「中国の法輪功学習者が拷問され、さらに臓器狩りの対象にされたにもかかわらず、依然として『真・善・忍』を守り抜いている。これを知って法輪功に興味を持ち始めた」と法輪功を習い始めたきっかけを紹介した。
キッツェさんは、法輪功を修煉してから、「周りの人に対してより思いやりを持つようになった。また何かの問題が起きたとき、人のせいにするのではなく、まず自分に原因を探すようになった」と話した。
一方、半年前から米国に来た浙江省出身の劉徳喜さんと羅素娟さん夫婦は今回、初めて集会に参加した。劉さんは、中国国内で投獄され、拷問を受けるなどの経験を持つ。
国内で会社を経営していた劉さんは98年から法輪功を習い始めた。99年当局による弾圧が始まって以降、複数回投獄された。今まで合わせて13年間、刑務所にいた。
「集会の様子を国内の学習者にも見せたい。中国では想像できない光景だ。より多くのアメリカの市民に、法輪功の真相と中国当局による迫害を知ってほしい」
ワシントンDC市民の反応
パレードを見た市民、米政府の職員や関係者の多くは、学習者らの反迫害活動に支持の言葉を並べた。
政府職員のブレドリン・マッカーティ―ジョンズ(Breadolyn McCarty-Jones)さんは、横断幕に書かされた共産主義の危害を訴えるメッセージについて、 「共産主義は、世界的範囲で、人類に深刻な危害を与えている。私たちは共産主義を完全に排除すべきだ」と述べた。
同じ政府職員のシャロン・ジョンソン(Sharron Johnson)さんも、「共産主義の邪悪さ」というメッセージを広げていく必要があるとした。
ホワイトハウス職員のミシェルさんは、「前から法輪功について知っていた。中国当局が自国民に対して迫害・虐待を加えている。本当にひどすぎると思う」と話した。
政府技術職員のトマスさんは、中国で起きている臓器狩りを知って驚きを隠せない様子だ。「われわれもこの迫害を停止させるために立ち上げるべきだ」とした。
トマスさんは、「共産主義という悪魔が世界を支配している」との横断幕のメッセージに賛成の意を示した。「共産主義は以前から、われわれの世界に存在している。中国以外の一部の国でも、共産主義の邪悪さを目のあたりにした」
専門家、伝統的道徳観の回帰 法輪功からの重要なメッセージ
中国問題専門家で大紀元のコメンテーター・章天亮氏は取材で、中国共産党が法輪功を弾圧する目的は、人々の道徳観を破壊し、最終的に人類を消滅させることにあるとの見解を示した。
『共産党宣言』の冒頭に、『ヨーロッパに幽霊が出る、共産主義という幽霊である』と書かれている。「だから、マルクス自身も、共産主義が邪霊であると認めている」と章氏は述べた。
章氏は、共産主義は世界各国の人々の道徳観を堕落させていると述べ、「しかし、神は道徳観念のない人を人間として認めていない」とその危害を強調した。
中国では、共産主義は、道徳水準を維持する中国数千年の伝統文化を破壊してきた。欧米では、共産主義は、教育、文化、法律、宗教などさまざまな面で浸透工作を行い、同様に人々の伝統的な価値観を失わせようとしている。
法輪功学習者の今回のパレードでは、ある重要なメッセージが伝えられた。「伝統的な道徳観に回帰することが、人類滅亡の危機から脱出する唯一の方法だ」
(記者・李辰、翻訳編集・張哲)
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