中国の航空会社、台湾を「海外」扱い 国際料金を取るためか

2018/05/29
更新: 2018/05/29

中国当局が4月末、外国の航空各社に対して、台湾を「中国台湾」と明記するよう要求したことについて、中国国内世論でも関心が高まっている。一部のネットユーザーは、「なぜ国内の航空会社香港・マカオ・台湾行きを『国際便』として扱っているのか」と違和感を覚えたという。

中国民用航空局は4月下旬、世界44の航空会社に対し、台湾や香港、マカオを中国の一部ではないとする情報をウェブサイトなどから削除するよう要求した。当局によると、すでに18社が表示を訂正したという。

一方、中国のネットユーザーは、国内の航空会社の公式サイトでは台湾や香港行きの航空便が「国際便」に区分されているとその矛盾を指摘した。

中国旅行大手「シートリップ(ctrip)」の公式ウェブサイトで、中国国際航空(エア・チャイナ)の国際便航空券を検索する場合、台湾、香港が外国都市として表示される。(スクリーンショット)

中国航空券・ホテルの予約サービスを提供する旅行大手、シートリップ(ctrip)のウェブサイトで、中国国際航空(エア・チャイナ)の国際便航空券の価格を検索する場合、台湾、香港が外国都市として表示される。

ネットユーザー「沈勇平」は微博で、国内各主要空港や航空会社が、「意図的に違反している」と指摘した。

このユーザーは書き込みで、「外国人は自由に台湾などを出入りできるのに、中国人は台湾や香港に行くのに、さまざまな手続きが必要。これはなぜだ?また、中国人が香港や台湾で携帯電話を使うと、国際ローミング料金が発生する。同じ国なのに、なぜ国際ローミング料金を取られるのか?香港などに荷物を送る際も、国際小包として扱われる。なぜ?」と不満を述べた。

「沈勇平」は、香港や台湾を「海外」に区分しているのは、国内消費者から高い料金を徴収するためだとした。

同様の疑問は、中国最大のQ&Aサイト「知乎」にも投稿された。

「なぜ本土の住民が香港・マカオに行く時、ビザが必要で『出国』となっているか?」との質問に対して、ネットユーザー「yilin wang」は、「ドイツ人は自由に香港に行けるのに、本土の人はできない。原因は、中国本土が(経済的に)後れているからだ。ドイツは先進国なので、ドイツ人は香港に長期滞在する、あるいは移民する必要が全くない。しかし、中国人は違う。中国人が子どもに安全な粉ミルクを飲ませるために香港に留まるかもしれない」と返事した。

中国民間航空局によると、海外航空会社44社のうちの26社は、技術上の理由で7月25日までに表示の変更を行うと回答した。

今年に入ってから、台湾の表記をめぐって、米マリオットホテル、米ウォルマート、スペイン「ZARA」、米ギャップなどの外国企業が次々と謝罪に追い込まれた。

(翻訳編集・張哲)