中国科学技術大学の研究チームはこのほど、昨年9月北朝鮮が核実験を行った直後、同国東北部に位置する万塔山の豊渓里地下核実験場は一部が崩壊し、使用不能になっていると発表した。欧米学者は、同研究結果に否定的な意見を示している。
北朝鮮は昨年9月、過去最大規模の核実験を実施したとみられる。
同大学の温聯星教授が率いる地質研究チームが、核実験とその後に起きた4回の地震との関連性について調査した。同チームは豊渓里周辺地域の約2000カ所の地震観測点で取得したデータを分析。
同大学のウェブサイトで公開された調査報告書によると、核実験から8分半後に起きたマグニチュード4.1の地震の原因は、山の崩落にあると結論付けた。チームは、「万塔山の爆発場所から北西440メートルの地点にかけて垂直の崩落が生じた」とし、また「核爆発で山に空洞ができた」と指摘した。
同チームは、山の崩壊による放射線物質の漏えいを観測していく必要があるとの見解を示した。
また、アメリカ地球物理学連合大会(AGU Fall Meeting)のウェブサイトによると、昨年12月米で開催された同大会で、温教授の研究チームが「崩落で地下核施設は今後使用できなくなる」との研究成果を発表した。
北朝鮮の金正恩・労働党委員長は20日、核・ミサイル実験を中止し、豊渓里核実験場を閉鎖すると宣言した。
一方、中国研究チームの調査結果に疑問視する専門家がいる。
AFP通信(27日付)によると、米ミドルバリー国際学研究所の軍縮専門家、ジェフリー・ルイス氏は、核爆発で空洞が崩壊する可能性はあるが、「山の地下核施設が破壊されたことを意味するわけではない」と主張した。
米ジョンズ・ホプキンズ大学の北朝鮮情報サイト「38ノース」は24日、20日の衛星写真を分析した結果、豊渓里核実験場で新たな動きを観測したと公表した。
同サイトによると、西側の坑道のそばにある積み場に12両の採掘用トロッコが停まっており、少なくとも8両が連結されている。「これまでと異なる状況だ」という。
「38ノース」は、同施設が閉鎖されたと判断するのはまだ早いとした。
(翻訳編集・張哲)
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