南極で106年前のフルーツケーキ「食べられそう」な状態で発見

2017/08/16
更新: 2017/08/16

南極大陸アデア岬で、106年前のフルーツケーキが、南極に建てられた最古の小屋で発見された。保存状態が良く、まるで「食べられそう」に見えるという。

このケーキを発見した、南極大陸の冒険を支援する慈善団体「Antarctic Heritage Trust」によると、ケーキは薄紙に包まれて、さび付いたブリキの箱に入っていた。中身の状態が良く「美しい」見た目を保ったままで、臭いは少ないが、微かに古いバターの香りがするという。

この慈善団体は、1899年にノルウェーの探索部隊が建てた丸太小屋の保全作業を行っていた。小屋は、南極大陸で建設され現存する最古の建物。なかからは、他の探索部隊が残したとみられる肉や魚などの食品を見つけたが、ほとんどは腐敗した状態だった。

A 106 year old fruit cake was found among the last artefacts to be conserved at the Canterbury Museum lab by Antarctic…

Antarctic Heritage Trustさんの投稿 2017年8月10日

ケーキは、1910年ごろ、英国人ロバート・ファルコン・スコット隊長率いる遠征部隊が小屋を利用した際に残したものと慈善団体は推測する。悲しくも、隊員全員はのちに見舞われたブリザードで死亡している。

慈善団体は現在、小屋内外の環境保全のため、探索道具や衣類、食品など1500ものアイテムを一時的に撤去し、品質保護や補修作業を行っている。南極特別保護地域(ASPA)の規定に基づき、保管終了後はすべてのアイテムは元の位置に戻さなければならないという。ケーキも例外なく小屋に返却される予定で、保管活動のチームリーダーLizzie Meekさんは「また南極を訪れる人が、ケーキにお目にかかれるかもしれません」と述べている。

(翻訳編集・佐渡道世)