中国 名誉棄損で裁判

中国スターのファン・ビンビン、米逃亡の政商を訴える

2017/07/16
更新: 2017/07/16

中国の国民的スターである女優・範冰冰ファン・ビンビン、35歳)は7月13日、「悪質な誹謗中傷を受けた」として、米国に逃亡中の中国人政商・郭文貴を、米国の弁護士を通じて訴えた。自身の事務所の声明を通じて発表した。郭文貴は最近、動画サイトなどで、ファン・ビンビンが習近平派の中央政治局常務委員に「性的な接待をした」との噂を流していた。

事務所は声明の中で、郭文貴の行動は「名誉を侵害する事件」にあたるとして、「情報のねつ造、中傷をただちに止め、情報流布に関する法的責任をとるよう」求めている。

事務所によると、訴訟を請け負うのはロサンゼルスの法律事務所「LAVELY&SINGER」。世界的に知られる米エンタメ界の商業訴訟を担当してきた。

米国で訴訟を起こしたファン・ビンビン。事務所は7月13日付けの声明文で、郭文貴に対して悪意ある誹謗中傷などにより名誉を棄損されたと主張(スクリーンショット)
 

郭文貴に対して、ファン・ビンビンは6日、中国ミニブログ「微博」で正面から対抗する姿勢を示した。「私は太陽の下で、闇から出てくるあなたとの対決を待っています。私には黒いものと対峙する勇気があります」。ネットユーザからは「あなたはまぶしい太陽だ」などの彼女を支持する声が相次いだ。

米国にいる富豪・郭文貴は、現地メディアや自身のSNSを通じて、共産党内や常務委員を含む高官らの内部情報を暴露し続けている。しかしニューヨーク・タイムスなど米メディアからは、その信憑性を疑問視されている。

 
党内情を海外で暴露する郭文貴 2.7億元の損害賠償求められる

郭は一連の発言で、「老領導」(党の指導部に影響力を持つ長老)を連発し、強力な後ろ盾がいることをほのめかしている。「老領導」とは、江沢民派の重鎮・曽慶紅前国家副主席との見方がある。

中国政府は4月、国際刑事警察機構(インターポール)を通じて、郭文貴を指名手配した。最近では、中国メディア「財新傳媒」の胡舒立編集長や、不動産開発大手SOHOトップ・潘石屹氏、中国コングロマリット・海航集団なども相次いで郭文貴に対して、名誉棄損や施工費の未払いなどで、米国で訴訟を起こしている。

(翻訳編集・佐渡道世)