外交 旧正月

中国人観光客は外交武器?台湾と韓国では急減=米メディア

2017/01/27
更新: 2017/01/27

日本国内ホテル大手のアパホテルが歴史問題で中国当局から非難されたことが波紋を呼ぶなか、ロイターはこのほど、中国政府は中国人観光客外交面の武器として利用し、外交関係がぎくしゃくする国に対して観光規制を行っていると指摘した。

ロイターの報道(22日付)によると、中国旧正月期間中に約600万人の中国人が出国するとみられる。中国人観光者の間で人気の台湾韓国は、中国との外交関係が冷え込んでいるため、中国当局からの指示で、両国に訪れる中国人が激減した。台湾は昨年5月に蔡英文政権が発足してから、訪台する中国人の数は36%減少したという。

また、韓国政府関係者の話によると、韓国が昨年高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備決定を受けて、中国国家観光局(CNTA)は国内旅行会社に対して、2016年11月から今年2月まで、韓国へのツアーを20%減らすようとの指示を下した。

その一方で、親中国の国を訪ねる中国人観光者が増えている。昨年3~12月までマレーシアを訪れた中国人は前年同期比で83%急増した。

南シナ海で中国との関係が緊迫したフィリピンでは、昨年5月親中国のドゥテルテ政権が誕生した後、昨年1~10月までフィリピンに入国した中国人観光客が同40%増加したという。

中国旅行会社大手の中国青年旅行社(CYTS)の幹部はロイターに対して、顧客の要望に合わせてツアーを設定しているが、「政治や外交の要因も当然われわれが考慮しなければならない」と話した。

(翻訳編集・張哲)