米最大手自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)が、中国で自社生産した車を米国内で販売することを計画していることが分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。世界大手メーカーが中国製自動車を逆輸入するのは今回が初めて。
同紙は11月12日、匿名の関係者筋の情報として、GMが来年はじめから中国生産の5人乗りスポーツタイプ多目的小型車(SUV)、ビュイック・アンビション(Buick Envision)を米国市場で発売、当初の輸入台数は年間3万~4万台の予定だと報じた。
デトロイトに本社を構えるGMが米国内で中国生産車を販売するのは初の試み。報道に対してGMはコメントを出していない。自動車業界の専門家は8月ごろ、GMが中国製自動車を逆輸入する可能性を示唆した。
AFP通信の報道によると、中国市場ではビュイックはGM車のなかで最も人気のあるブランドであり、売り上げは北米市場の4倍だが、ここ最近販売が伸び悩んでいるという。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、今回のGMの決定が全米自動車労働組合(UAW)の反発を招くことは避けられないとみている。同紙は、世界大手自動車メーカーの大多数がこれまで、中国製自動車を欧米市場に供給することを踏みとどまってきた理由として、欧米で中国製自動車に対する信頼性が低いことを挙げた。
今までのところ、中国製自動車を欧米市場に導入したのはスウェーデンのボルボ1社のみ。同社の乗用車部門は2010年中国浙江吉利控股集団に買収され、その傘下の中国自動車メーカー「吉利汽車」と合併した。
(翻訳・桜井信一、編集・叶子)
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