欧州初の孔子学院閉鎖 関係者「中国政府との関係は明白」

2015/01/13
更新: 2015/01/13

【大紀元日本1月13日】スウェーデンのストックホルム大学は、欧州で初となる中国語教育機関・孔子学院の閉鎖を決定した。以前から中国政府との関係が強いと学内外で批判の声が上がっていた。同大学副総長は政治的な影響があることについて「明白な事実」と現地紙に述べた。中国政府から資金と講師の提供を受けて外国の教育機関に設置される孔子学院は「中国共産党のプロパガンダ(宣伝工作)機関」「スパイ機関」として国際的に批判され閉鎖が相次いでいる。

 ストックホルム大学は2005年に孔子学院を設置。同大学副総長アストリッド・セーデルベリ氏は当初、「中国との交流窓口」として設置を許可した。また中国政府からの資金提供も受け入れ要因だったことを、現地紙ダーゲンス・ニュヘテルに明かしている。さらに「大学が他国の資金で運営される教育機関を設置することに疑問を持っている」と閉鎖の理由について述べた。同大学は2014年12月20日、翌6月に閉鎖するとの決定を発表した。

 孔子学院は中国共産党のイデオロギーに基づいた教育を海外に展開するため、中国政府が2004年から外国の大学などに設置する中国語教育機関。中国当局のソフトパワーの一環とみなされている。ストックホルム大学のよう経営難に陥った外国の大学に対して、財的・人的資源の提供を「売り文句」に数を増やしてきた。

 北米で相次ぐ拒絶の動き

 現在、北米を中心に孔子学院の閉鎖が相次いでいる。米国ではシカゴ大学、ペンシルベニア州立大学、カナダのマクマスター大学などは同院を閉鎖した。また7万人もの学術専門家からなるカナダ大学教員委員会は「独裁政権の中国が監督し、助成金を出す機関」と指摘し、関係を断つと表明している。同国最大学区トロント地区教育委員会は「学問の自由を規制し、学生を監視している」とし同院の受け入れを拒否する意向を示した。

 孔子学院は電子機器に情報漏洩の穴を開ける「トロイの木馬」と例え、機密情報の安全性を脅かすものと、前カナダ政府安全情報局アジア太平洋地区チーフのミシェル・ジュノ―カツヤ氏は指摘する。「公開された情報によると、西欧のスパイ防止活動機関は、孔子学院がスパイ機関だと認識している」とミシェル氏はトロント地区教育委員会に警告を伝えている。
 

(翻訳編集・佐渡 道世)