香港占拠現場で謎のグループが破壊行為 学生ら民主派は窮地に

2014/11/20
更新: 2014/11/20

【大紀元日本11月20日】香港で18日深夜から19日未明にかけて、民主化デモの占拠現場、金鐘地区(アドミラルティ)の香港政府本部庁舎前で、「ネットユーザー」と自称する抗議者グループが、立法会(議会)ビルのガラスドアを破壊するなど激しい暴力行為を行い、警官隊と衝突する騒動が起きた。それを受け、各方面から「学生ら民主派の暴力行為」として批判が強まる中、学生ら民主派は「一行とはまったく関係がない。彼らに賛同できない」と弁明するなど、苦しい立場に立たされている。

18日午後10時ごろ、同グループは同占拠現場に現れた。学生らが建てた司令台を強制撤去しようとしたが阻止されたため未遂に終わり、日付が変わった頃、一行数十人が突然、現場の立法会ビル入り口のドアのガラスを割り始めた。居合わせた複数の民主派議員が阻止しようとしたが追い払われた。付近にいた警官隊が約6分後に駆け付け、双方が衝突、対峙を繰り返し、午前5時ごろ、一行は現場から立ち去り、騒ぎは収まった。

中国国営新華社通信と、共産党機関紙「人民日報(電子版)」はいち早く報道し、割れたガラスがあたり一面に散乱する現場写真を大量に掲載、「占拠者らの暴挙だ」と非難した。

事件を受け、香港政府当局者は学生ら民主派を「暴徒」と譴責し、41人の親中派議員は共同声明を発表、「占拠が暴力を助長させた」と学生ら民主派の責任論を持ち出した。

一方、十数人の民主派議員は当日午前記者会見を開き、今回の破壊行為を厳しく非難するとともに、占拠参加者とはまったく関係がないことを強調した。

対する学生団体と民主派の代表もこの謎のグループの行動を批判、「平和で非暴力的」という占拠の基本的原則を改めて説明するなど弁解を続けた。

現場のいくつかの「不審点」を指摘する声も強まっている。

現場のすぐ近くにいた警官隊が、暴力行為が始まった6分後の、ドアのガラスが割られた後に現場に駆け付けたこと。そして「ネットユーザー」たちは、ガラスを割った後、なぜ議会に入ろうとしなかったか。「非常に怪しい。学生ら民主派に『暴徒』という汚名を着せるために計画された茶番劇ではないか」という見方が少なくない。

中国問題専門家は大紀元時報米国本部の取材に対し、「中共は『邪悪、騙す、煽る、暴力、仲裂き、闘争、消滅、支配、強奪』という9種類の『DNA』を持っている。今回の香港占拠現場では、彼らはこれらの特技を大いに発揮した」と指摘し、今回の騒動は政府側の仕掛けである可能性が高いと示唆した。

9月28日から長官選挙制度民主化を求めて占拠を続け、その間親中派らの襲撃や、警察による強制退去など様々の紆余曲折を乗り越えてきた人々。今後の展開に目が離せない。

(記者・林怡、曾嘉連、翻訳編集・叶子)