中国の某工場、未完全処理の工業排水(読者提供写真)
【大紀元日本2月26日】環境経済学者で中国人民大学環境学院の馬中院長は、25日に放送された中央テレビの人気インタビュー番組「面対面」に出演し、年間160億トンの工業排水(汚水)が処理されず、地下に排出されていると明かした。
番組の中で、馬院長は地下水汚染に関して行った最近の調査によると、全国の工業用水が毎年830億トンであるのに対し、排水量は年間200億トン、600億トンあまりの開きがあると述べた。蒸発や商品に使用される量を除外すれば、約160億トンの水が「行方不明」だという。
同院長はこの「消えた」水について「処理せずそのまま地下に排出された可能性が高い」と述べ、「地下水の汚染源になっている恐れがある」との懸念を示した。
また、飲用水の汚染が原因でガン患者が多発する「ガン村」の存在について、同院長は「汚水排出基準が低すぎた」ことが原因だとみている。「水質基準で最低ランクの水より4.5倍も汚い工業水の排出が容認されている」と述べた。
中国紙・新京報24日付の記事によると、2011年に全国200都市の地下水調査を実施した結果、工場の汚水などによる汚染で水質が「比較的悪い」「極めて悪い」とされた都市が55%に上った。飲用水の65%を地下水に頼る中国北部は「生存の危機」に陥っていると報じている。
中国地質環境観測院も2011年、「中国の地下水の汚染は現在、点から面、表層から深層、都市から農村へと拡大している」と警鐘を鳴らした。
(翻訳編集・高遠)
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