【大紀元日本11月29日】東南アジアを流れるメコン川の流域でも地理的影響力を拡大させる中国だが、この度、同流域に東アジアの3カ国を取り込んで共同巡視部隊を設置することを発表した。インドにとって更なる中国からの圧力となると、インド国内紙は報じている。
メコン川は、チベット高原を源流に中国の雲南省を通り、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムを通り南シナ海に抜ける4千キロ以上の国際河川。10月にミャンマー流域で2隻の中国籍の貨物船が海賊に襲われ、13人の船員が殺害されるという事件が発生した。後にタイ兵士9人が逮捕された。
中国国営新華社通信によると、中国政府は「海賊による襲撃事件を繰り返さないため」にタイとラオス、ミャンマーの3国と共に、メコン川共同巡視部隊の設置を決めた。中国を本部とし、他3国に支部を置く。巡視は早ければ12月中旬から開始される。
さらに中国はラオスとミャンマーに対し、巡視部隊のための訓練と装備の援助を行うという。
10月の海賊襲撃事件の後、中国はタイとミャンマーに対して、中国船籍の輸送の安全と保護を強く要求していた。結果的に、この事件を契機にメコン川流域の保安を中国が牽引し、他国への影響力を拡大させることとなった。インド国内紙・タイムスオブインディアは28日、3カ国の巡視部隊の参加について「中国は非常に強い圧力で説得させた」と記している。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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