【大紀元日本11月29日】中国に天然ガスを供給しているトルクメニスタンは23日、中国への供給量を大幅に増加すると発表した。これに対して、同じく中国に天然ガスを供給しているロシアのガスプロム社のアレクセイ・ミレル社長は24日、露紙ヴズグリャドに対して、トルクメニスタンが供給量を増やしても、ロシアは中国への輸出価格を譲歩することはないと改めて表明した。ラジオ自由アジア(RFA)が伝えた。
北京訪問中のトルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領は23日、今後4年間で現在の供給量を約4倍の650億立方メートルに増やすとの内容で温家宝首相と協議をまとめ、早くも来年には400億立方メートルの輸出を予定している。これによって、中国はトルクメニスタン最大の天然ガス輸出国となる。
今回の協議成立は、中央アジアのエネルギー争奪戦で、中国がロシアより優位に立つ上での一歩だと一部のメディアは見ている。中国は低価格で大量の天然ガスを確保した上に、これまで「ロシアの裏庭」とみられていた中央アジアに影響を及ぼすこととなった。また、ロシアとの長年のエネルギー談判においても有利な条件を獲得できた。
一方、一部のロシア専門家はトルクメニスタンの天然ガスパイプの安全性に懸念を示している。中央アジア研究所のアンドレイ・ロゴジン氏は、トルクメニスタンはアフガニスタンと隣接するため、ガスパイプを引くには安全な場所ではないと指摘した。いったん問題が起きれば、損失は数百億ドルの投資額を上回ることになると警告している。
(翻訳編集・余靜)