【大紀元日本9月1日】南シナ海問題を巡って米中間の争議が再発する中、米国内では多くのシンクタンクが行政部門の対中策略を改正している。外交、軍事の双方からの対中関係への取り組みや、台湾と人権についての議題重視などを促す文章が次々と発表されている。
米シンクタンク・カト研究所デヴィッド・アイゼンバーグ氏は最近メディアを通して記事を発表した。米国防省が作成した今年度の中国軍事力報告書は、中国の脅威に対する認識が低下していると批判。オバマ政権内部が中国の激怒を懸念したためであり、報告を5か月先に延ばしにしただけでなく、多くの陳述も穏やかになってきていると指摘する。
また、ヘリテージ財団のコーン・キャロル氏は、中国の軍事力の迅速な成長は続いており、今年の予算は少なくとも8%増加している。しかし米国の軍事予算は減少し続けており、GDP4.9%は徐々に下がり、2019年には3.01%にまで下がるだろうと予測している。
同氏によると、米行政部門は、台湾と人権に対する議題を軽視している。中国軍事力報告書は、ここ数年、米中関係に対し最も広範な政府報告として認められている一方、台湾海峡の情勢に対しては安全への配慮が不十分と全体的に評価されている。また、オバマ政権は中国との気候変遷などの問題上の協力を得るため、中国の人権問題をわざと無視していると同氏は指摘する。
米AEIのミカエル・マッツァ氏は、オバマ政権は穏やかな態度で中国に接する事により両国関係の更なる向上を希望している。しかしこの目標の策略がすでに失敗していることは明らかだと語る。
「米国の期待とは裏腹に、中国は多くの問題、特に米国にかかわる利益とアジア太平洋安全保障に関して、ますます独断的な態度をとる傾向を強めている」「米国が国際海域における軍事演習の権利を主張することに関しては、中国政府側の抗議を誘発するだけではなく、メディアも民族主義を扇動する方法で米国を攻撃している」と同氏は指摘。一方、対外への強固な姿勢に比べ、中国国内の問題はますます深刻化している。特に社会問題は民心を刺激し一触即発的な態勢にあるとしている。
マッツァ氏は米中間の衝突が更にエスカレートする可能性を指摘し、米国が適切な外交と軍事という複線措置を用意しなければ、対処の仕方によっては危機が現れる可能性があると警告している。
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