【大紀元日本2月1日】米インターネット検索大手グーグルが、中国のネット検閲やサイバー攻撃を理由に撤退を表明したことをめぐり、米政府と中国政府の間で攻防戦が繰り広げられている。クリントン米国務長官は、中国のネット検閲を名指しで批判する一方、中国外務省の馬朝旭報道局長は、「事実に反し、米中関係を損なうこうした言動に断固反対する」と切り返す。米大手企業や軍部などを狙った中国からのサイバー攻撃は、そのスケールや組織だったやり方から、米政府は中国政府が裏に存在すると睨む。
22日付米誌「Foregign Policy」(電子版)は、グーグル事件について「氷山の一角」と報道。サイバー攻撃に詳しい専門家の言葉を引用し、「問題は、我々が知っているより1,000倍も悪い」と伝え、過去に発生した中国からのサイバー攻撃10大事件を紹介した。
1)タイタン・レイン(Titan Rain)
2004年、中国広東省を発信元とするハッカーが、大量の情報を米軍関連の研究所、NASA, 世界銀行などから盗んでいたことが発覚。ハッカーたちは政府系研究者のグループとみられ、米FBIは彼らをタイタン・レインと命名し、調査に乗り出した。同グループは、今も活動していると思われる。
2)米国務省東アジア局
2006年7月、国務省は同省アジア局の職員が誤って危険なEメールを開いたと認めた。それにより、ハッカーは東アジア全体の米大使館のシステムに入り込み、ワシントンまで侵入してきたという。
3)フランク・ウルフ米下院議員
2006年、ウルフ議員は事務所のコンピューターが攻撃されたと公表した。同議員は中国の人権問題について詳しい。同議員によると、数人の米議員が同様の被害に遭ったという。ハッカーの裏には、中国当局が潜んでいるとみている。
4)アメリカ合衆国商務省産業安全保障局
安全保障局は2006年10月、中国を発信元とする組織的なサイバー攻撃に遭い、すべてのコンピューターを廃棄処分した。このため、同局は1カ月以上、機能が停止する騒ぎとなった。
5)海軍大学校(Naval War College)
2006年12月、米国の海軍大学校のネットワークに中国を発信元とするハッカーが入り込み、同校のコンピューターが1週間ダウンした。同校は、対中国軍事戦略について活発な議論が行われる場所。
6)米商務長官カルロス・グティエレス氏(Carlos Gutierrez)
「National Journal」誌は、米商務長官のCarlos Gutierrez氏が2007年12月に通商交渉で北京を訪れた際に利用した複数の電子機器からスパイウェアが見つかったと報じている。
7)マケイン議員とオバマ議員の大統領キャンペーン
両議員は、2008年8月にサイバー攻撃に遭っている。キャンペーンに参加したシニア・スタッフ全員が、ブラック・ベリーとノート型パソコンを新品と交換させられた。スタッフの一人によると、中国政府側が大統領選について接触してきた折、盗まれた情報でしか知り得ない事柄に言及したという。
8)ビル・ネルソン(Bill Nelson)上院議員
ネルソン議員は2009年3月の公聴会で、事務所のコンピューターが3度ハッカー攻撃を受けたと説明した。発信元は中国であると思われる。標的となったのは、同議員が外交政策に影響力があり、元NASAの顧問だったことが原因とみられる。
9)ゴーストネット
2009年3月、トロントの研究者らは、10か月におよぶ調査の結果、中国を発信元とするハッカーが世界のNGO、メディア、機関、外務省や国際組織などに侵入したと発表した。世界中にあるほとんどのチベット関連サイトが被害を受けた。このサイバー攻撃による被害は、1,200のシステム、103カ国に及んだ。
10)最新型戦闘機
2009年4月、米防衛企業大手のロッキード・マーチン社製、最新型戦闘機F-35のデータが盗まれたとペンタゴンに近い情報筋の話として米紙「ウォールストリートジャンーナル」が伝えた。背後には中国当局が絡んでいるとみられている。
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