国際社会による救援、卜東偉氏が娘と共に米国到着

2008/12/09
更新: 2008/12/09

【大紀元日本12月9日】2年あまり不法に拘禁された法輪功学習者・卜東偉氏が先日、3歳の娘をつれ順調に米国に到着して、妻の婁宏偉氏と一家団欒することができた。自由を獲た卜氏は、中国から救出されたことの背後に、多くの個人や団体が自らの救援のために尽力したことを初めて知った。彼は、世界各地で彼のことに関心を持ち、救援の手を差し伸べた善良な人々、及び外国政府や団体、個人に深く感謝する意を示した。なお、依然として不法に拘禁されている中国大陸の法輪功学習者に対して、早く釈放されるよう望んでいると卜氏は示した。

卜氏は、サンフランシスコ本部であるアジア基金会・北京事務所のスタッフであった。主に農村からの臨時就労者のために法律支援と相談を担当した。1996年から法輪功を学習しはじめた卜氏は、善良かつ誠実な青年と評価されていた。

2006年5月19日夜、卜氏が海淀の公安により自宅で拉致された。8月15日、卜氏の家族が北京市公安局・海淀支局の送った「労働決定書」を受け取った。その決定書に、卜氏の家に「法輪功の宣伝用の印刷物」が80部隠されていたという理由で、2年半の「労働・再教育」を6月19日から実行すると判決した。

卜氏の不法拘禁は、法輪功への弾圧のもう1つの具体的な訴訟例となった。卜氏の妻と海外の法輪功学習者の呼びかけにより、国際社会の関心が向けられてきた。

2006年8月31日、国際人権組織・アムネスティが全世界に向けて緊急救援をネットで呼びかけ、卜氏の受けた「労働・再教育」の判決(6月19日)は彼の法輪功学習者と関わっており、拘禁されている場所は不明であると指摘した。アムネスティは、卜氏を「良心の囚人」とし、拷問・虐待といった深刻な危険にさらされるため、全世界に卜氏の救援を呼びかけた。2006年9月7日、欧州議会では「ヨーロッパと中国」の報告修正案に対して全員一致で通過し、中国当局に法輪功学習者の卜氏、高智晟人権弁護士、またその他の人権擁護者の釈放を求めた。

2007年8月、南カリフォルニア州上院議員・サンチェス氏を含めた8人の米国上院議員は連名で3通の書状を書き、卜氏の拘禁に対する関心を注いだ。書状はそれぞれ北京市長、北京労働・再教育局局長、卜氏を拘禁している北京団河労動教養所所長へ送られた。卜氏の案件は人権と正常な訴訟手続に違反し、また行政法令を濫用して労働による思想改造をさせる著しい事例として認められたため、卜氏の速やかな釈放を呼びかけた。

2007年12月10日、アムネスティがグローバルニュースを発表した。このニュースの中で再度全世界に法輪功学習者の卜氏を救援するよう呼びかけた。また、見出しに「直ちに法輪功の迫害を停止するよう中国政府を促す」と記してあった。

2008年7月17日、ヨーロッパ緑党党首、ドイツの欧州議会議員ダニエル・コンベンディト氏(Daniel COHN-BENDIT)は当日にEUの主席国であるフランスのニコラ・サルコジ大統領とベルナール・クシュネル外務大臣に、手紙と7冊の中共に拘禁されている良心の囚人のリストを郵送し、人権を支持すること、及びそれに関する保証ができるよう求めたことを公表した。

国際社会の支援こそが中国共産党に圧力をかけると感じさせる。実際、中共自身の犯罪が国際社会に暴露されているので、激しい非難を恐れている。そのため、拘禁された時、教養所警官の彼への態度に変化があったと、卜氏は言う。

卜氏にとって、米国に来てから、一番大きく感銘を受けたのは自由であるということだ。自由に煉功できることは本来、当たり前の事でありながら、しかし中国では法輪功を煉功すると、自由の代価を、甚だしきに至っては生命の代価を払わなければならないのである。中共は法輪功の迫害に対して一日も停止したことがないと言っている。卜氏は中国以外の土地で人生を終えることは考えていない。しかし、現在は、迫害され、祖国には帰ることができない。

中国大陸では、今なお多くの法輪功学習者が不法に刑務所、労動教養所に拘禁されている。卜氏は、自由社会に来てからこそ、できるだけ早く周りの環境を熟知し、更に多くの法輪功学習者を助けたいと示している。

(翻訳編集・蘇燕)