中国四川省:M7・8大地震、唐山地震上回る被害か(再送)

2008/05/13
更新: 2008/05/13

【大紀元日本5月13日】5月12日午後2時28分(北京時間)、四川省文汶川県(北緯31度、東経103・4度)においてM7・8の地震(初期段階でM7・6と発表した地震)が発生した。中新網6度目のニュースによると、午後22時20分までの四川省ではすでに8533人が死亡、その中で綿陽市北川県では死者が7000人を超えている。今回の地震は遠く離れた北京、上海さらには香港、タイのバンコク、ベトナムのハノイや台湾でも揺れを感じたという。

四川省地震局副局長でニューススポークスマンの_deng_昌文氏によると、現在被災区では通信、交通が中断されており、死傷者の状況も不明であると話している。

調べによると、12日だけでも527回の余震が発生し、その最大規模はM6が2度、M5からM5・9が5度。 

中共新華社の初期情報では四川省北川県では死者が3000人から5000人、負傷者は一万人を超えると予想されているという。また、重慶市梁平県礼譲鎮センター小学校及び平県文化鎮小学校では教室棟が倒壊し、生徒5人が死亡し、900人の児童が倒壊した建物の下敷きになっている。甘粛省では10人死亡、14人が負傷した。

交通面では、成都駅の全ての始発列車が運行を停止、成都双流国際空港は閉鎖され、もともと成都双流空港着予定のフライトは重慶江北空港に着陸しなければならなくなった。12日午後、中国東方航空各地の成都へのフライトは全て取り消しとなっている。

米国地質調査局計測データによると、地震は北京時間午後2時28分に発生、震央は成都の西北92km、深さ10kmの地点だという。四川省汶川県が地震情報を発表して間もなく、中共新華社が12日午後2時35分前後に北京でも地震発生があったと伝えている。中国国家地震台網の計測では、北京時間12日午後2時35分、北京市通州区(北緯39・8度、東経116・8度)の地点でM3・9の地震が発生したという。

地震発生時、成都公安庁付近の街頭の様子。強烈な地震に驚いたドライバーが車を停止させ降りてきている(大紀元)

強烈な揺れに驚いた成都天府広場付近の住民が広場に避難してきた(大紀元)

上海付近でもM5・7が測定された。安全を考慮し、北京、上海などの一部高層ビルで働く人々は外へ避難した。この他に12日午後10時から午前0時の間に北京の一部地域でM2からM6の地震が発生したと中国地震局が発表している。CNN最新の報道によると、同日午後2時28分の強い揺れの後、四川省では同3時34分にM5・4の余震が発生したと伝えている。

北京、上海以外に香港、台湾、タイの首都バンコク、ベトナムのハノイでも揺れを感じ、台湾各地では同日午後2時38分前後に2分以上揺れを感じたという。また、マンションの高層階住民やサラリーマンたちは6、7分以上も揺れを感じたらしい。

台湾中央気象局は、この地震波の震央は中国四川省重慶市で非常に離れた地域で発生しているが、規模は少なくともM7・8、震度は29kmと伝えていた。

ある四川省の人々は、非常に恐ろしい、重慶市ではたくさんのビルが倒れた。非常に強烈な揺れで、市民はあまりの恐怖に街頭に出て待機している。また、16階建のビルの屋上に設置されている広告看板がぐらぐらと揺れていたと話している。

「成都では色々な物が上から落ちてきた。聞いた話ではある人が1ヶ月前に成都で地震が起きると話していたそうだが、本当になってしまった」 

雲南省現地でも災害状況が伝えられているらしい。香港TVB最新の情報では現在雲南省では家屋の倒壊が伝えられているが実際の死傷者の数は不明とのこと。

四川省現地では、停電、携帯電話不通などのため災害状況を知るすべがないとされている。しかし、中広新聞が初期調査で損傷レベルは不明なものの、成都市中心部では建物が倒壊したが、観光ホテル及び九賽溝で比較的大きなホテルでは大きな揺れの後、しばらくは何事もなかったらしい。しかし、続く余震のために人々は恐怖の中で過ごしているという。

現在、千人以上の台湾からの観光客が四川省の景勝地を観光しており、台北市旅行

同業組合が各旅行団体と積極的に連絡を取っている。

この他、湖北省黄石(北緯29.7、東経115.8)でもM6・3の地震が発生しており、四川省、青海省、広西ウィグル自治区、北京市、雲南省、甘粛省、山西省、河南省。内モンゴル自治区、江西省、湖南省、浙江省などの地区でも揺れを感じたとのこと。

今回の四川省汶川県で発生した地震は1976年に発生した唐山大地震と同じ規模である。当時の地震規模はM7.8、深さは10kmで24万人の死者を出した。

ビデオ:四川省成都大学寮で撮影された映像

http://www.youmaker.com/

中国で発生した主な大地震

1920年12月16日 甘粛省M8・5 死者23万人

1927年 3月23日 甘粛省M8・0 死者4万1千人

1932年12月26日 甘粛省M7・6 死者7万人

1970年 1月 5日 雲南省M7・8 死者1万5621人

1974年 5月11日 四川・雲南省 M7・1 死者1万人

1976年 7月28日 河北省唐山M7・8 死者24万人

以下は被災現場の様子(All photo by AFP/Getty images)

北京市のある公園では地震後、土石流現象が起きた

重慶市、地震で病院から避難した患者。多くが点滴を下げている

重慶市、地震で病院から避難した患者

重慶市、ケガをした子供を病院へ連れていこうとする母親

重慶市、地震で病院から避難した患者

地震発生後、多くのサラリーマンが高いビルを離れ、外に降りてきた

多くの人が家族の安否を気遣い携帯で連絡を取ろうとしている

重慶市梁平県では小学校の校舎倒壊が2ヶ所で起き、900人の児童が下敷きとなった。写真は救助活動に加わる人々

重慶市梁平県では小学校の校舎倒壊が2ヶ所で起き、900人の児童が下敷きとなった。写真は救助活動に加わる人々

(記者・馮長楽、翻訳・坂本)