【大紀元日本11月30日】中国は今年9月、アフリカのコンゴ民主共和国に対し、50億ドルに達する経済援助を提供し、天然資源の開発やインフラ整備に協力する協定を結んだ。コンゴは、銅やコバルト、金、ニッケルなど天然資源が豊富であり、その採掘権を得るために汲々としていた海外企業にとって、同国に大きな影響力をもつ中国は脅威となっている。また、重債務貧困国であるコンゴが更に中国から借款を受ければ、コンゴにとってより債務の返済が難しくなるかも知れないと、長期の資金援助を続けてきたIMF(国際通貨基金)が懸念を示している。英紙「ファイナンシャル・タイムス」が伝えた。
報道によると、協議の内容は、中国がコンゴにインフラ建設や鉱業などの経済援助を提供する見返りとして、コンゴの天然資源の採掘権を得るというもの。今度の合意は中国にとってアフリカにおける最大の借款計画となり、同地域の天然資源に対する利権も拡大すると見られている。
中国とコンゴが合意に達した週、ちょうど時を同じくしてIMFのスタッフもコンゴ入りし、同国への資金援助を再開する可能性を検討していたところだった。1997年に死亡したモブツ・セセ・セコ(Mobutu Sese Seko)の独裁下にあったコンゴがためた債務は80億ドルにも達し、その返済計画にIMFと世界銀行は取り組んできた。重債務を軽くするため、両機構はコンゴに対して、優遇借款以外は、受けないようにと勧めていた。IMFは、中国からの借款が、その方針に従っているかどうか確認したいとしている。
コンゴは豊富な金属鉱物があるが、数十年の戦乱、独裁政治、内乱を経て、国民の生活は非常に貧しく、道路やインフラはほとんど整っていない。
西洋の大手採鉱グループはコンゴの天然資源に注目していたが、同国の内戦、汚職、インフラの不備などの理由で、投資が止まっており、コンゴにある採鉱企業は殆ど中小企業に留まっている。フロンティア戦略グループ(Frontier Strategy Group)のアレックス・ゴーバンスキー(Arex Gorbansky)氏は、「中国とコンゴの間で結ばれた今回の協定により、中国は他の採鉱企業よりコンゴの天然資源を得る上で他国より有利となるだろう」と話している。
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