【大紀元日本10月5日】中国紀検幹部はこのほど、農村行政幹部の汚職が政権基盤の安定に影響を及ぼしていることを明らかにした。メディアも、中国官界の腐敗は都市から農村に蔓延していると報道した。中国共産党中紀委、監察部の統計によると、2003年から今年6月までに、中国紀検監察機関は、農村政府幹部20万7200数人が処分されたとし、今年上半期だけで1万1千人以上が処分、1万人以上が紀律処分、640人が組織処分、670人が司法機関へ移送されたという。農村の汚職問題は北京政権を脅かすだけではなく、経済発展にマイナスの影響も与えることを明らかにした。
中国政府側の統計によると、全国には3万以上の郷鎮党委および60万以上の村党組織があり、共産党を支える基盤組織総数の19・7%を占めており、農村において3千万人以上の党員がおり、全国党員総数の約43%を占めているという。
中国監察部政府ウェブサイトで、中国中央紀委副書記・劉錫栄氏が今年9月末に発表したところによると、農村幹部は法治の意識が弱く、物事を公正に扱わず、権利による私利獲得などの問題が特に目立っており、政権基盤の安定に影響を及ぼしていることから、農村における清廉な政治の建設に迫られていることを発表した。
*汚職腐敗、都市から農村へ拡大
豪州シンクタンク、独立研究センターの客員研究員スーダン・ウェンディバンク氏は、農村地区の税収および土地の収用は、ほとんどの場合、地方政府幹部が執行しており、権力を行使して強制的に行っているため農民の怨みをもたらしたと指摘した。また、地方の深刻な汚職腐敗は民衆の不満を募らせ、経済成長の重要な要素である共産党政権の合法性を崩し、経済成長に影響を与えたと分析した。
ウェンディバンク氏は「根本的な問題の1つとは、中国共産党は数年前から始めた地方分権だ。税徴収および土地収用など地方事務を管理するために、地方党委および地方幹部により多くの権利を与えた。しかし、ある時期が過ぎれば、これらの幹部は地方で勢力を有する権力者に化した」と指摘した。
一方、民衆はインターネットで、中国貧困地区の政府幹部の腐敗は、すでに普遍的な現象であり、貧困地区ほど顕著であると指摘した。
*独立したメディアの監督がない
報道によると、中国農村政府幹部の汚職は、主に中央が指示した農業政策を実行しなかったからだという。農業助成金は横領、着服され、農民に対してでたらめの課税を徴収・罰金および資金徴収、新しい農村建設において、農民の実質負担能力を無視し、強制的に立ち退き、乱開発・建設などによって、農民の負担および土地収用における農民の権益などが損なわれたという。
ウェンディバンク氏は、深刻な汚職問題をもたらした原因の1つとは、独立自由メディアの監督に欠けていると指摘した。ウェンディバンク氏は「他の国を例にして、自由メディアはある一定の役割を担っていることは明白だ。地方腐敗を暴くなど、中国共産党はかつて、深刻な汚職は政権の合法性を崩すため、汚職した上層部政府幹部は死刑に処されたこともあった」と明らかにした。
中国政府側統計によると、2003年以降、中国各級の農業部門はすでに69万6千個所の農資市場を粛清し、農業資金徴収詐欺事案19万9千件に対して調査処分を行ったという。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。