【大紀元日本7月22日】ロシア・ハバロフスクのアムール河沿岸で18日、中国人十数人が当地の住民と衝突し、ロシア人4人が中国人にナイフで刺され、病院に搬送された。ロシア・メディアはこの事件に注目し、極東での中国人脅威論を再度取り上げ、「ロシアは、極東を失いつつある」と緊急報道した。
ロシア・ハバロフスク内務省の19日発表によると、この事件は18日晩、中国人十数人がアムール河で遊泳中に、休息中の場所取りの問題で地元住民と口論となった。相互の緊張が高まり、最後にはナイフを使っての乱闘騒ぎに発展したという。
ロシア人の内、4人がナイフで刺され、ロシア人の若者1人が重症、さっそくに病院に搬送された。3人は軽傷のため、即日退院した。ハバロフスク内務省当局によると、すでに関係した中国人20人が拘留され、現在取り調べを受けているという。しかしながら、ロシア警察は、乱闘に関係したロシア人の拘留については言及しなかった。
ロシア・メディア「ロシアは、極東を失いつつある」
この事件に、ロシア・メディアが注目した。ロシアのニュース情報サイトは、「ロシアは、極東を失いつつあるのではないか?」という文章を掲載し、中国人脅威論を再度提起した。
文章によると、「ロシア極東の状況は、心胆震え上がるものがある。ここ15年で、大量の中国人が流れ込んだからだ。ロシアの極東地方、ハバロフスクやアムール河周辺には、中国人の違法流入が相次ぎ、ここ極東における中国人の勢力は増大するばかりだ」。
また続いて、「今回の事件で、中国人がナイフを用いてロシア人を負傷させたことには、二つの点が挙げられる。第一には、中国人が暴徒化していることだ。彼らは、ナイフまで準備して、ロシアの現地人と喧嘩している。アムール河の遊泳では、ナイフは所持禁止だ。これがよく証明している。第二には、この喧嘩騒ぎに参加したロシア人は、もともと傍観者だったことだ。ロシア人は、喧嘩を仕掛けた方ではなかった。彼らは、何の準備もしていなかった」。
ロシア軍事専門家「中国人の人口は、極東とシベリアで爆発的に増えつつある」
ロシアの軍事専門家、コンスタンチン・シフコフ氏が、ロシア情報ネットの記者によるインタビューに応え、「人口が膨大になり過ぎたため、中国人はさらに領土が必要だ。中国人の人口は、極東とシベリアで拡張しつつある。極東における中国人の違法移民については、種々の統計がありまちまちだが、大よそ150万人から300万人だ。このほかに、合法的な移民もいる」。
シフコフ氏はさらに続け、「中国人が、ここ15年来で極東で増え続けたのは、ロシア政府がこれを看過し放任してきたからだ。極東では、ロシア人の人口が減少し、それで政府の政策がこれであったために、火に油を注ぐ如きになって、状況が劣悪化した。ロシアは、まさに極東を失いつつある。このように中国人が大量に流れ込むと、もはやロシア政府が極東を統治するうえでの脅威になっている。彼らは、将来大きな影響力を持つ日が来るのを待っているのだ」。
住民同士に不信感が深まる中露国境
ロシア政府は、2007年4月1日から、全面的に外国人労働者を取り締まり始めた。これは、大量の中国人露天商に立ち退きを余儀なくさせるもので、中国に帰国を促し、低価格のダンピング電化製品なども販売禁止に追い込むものだ。ロシア領内の中国人が「四害」と称する、ロシア警察、海上税関、マフィア、ネオ・ナチは、中国人たちにとって頭痛の種だ。
これと同時に、このところロシア人が中国領内でも襲撃される事件が、ロシア・メディアによって報じられている。
6月26日、ロシアの駐中国現地法人関係者が、北京市内のバーで飲んでいるところ殺害された。駐中国ロシア大使館関係者によると、当時ロシア人男性二人が、北京市内のバー「バナナ」で、中国人客ともめた後、殴打された。うちロシア人一人が死亡、一人は負傷した。犯人は、犯行後に現場から逃走した。
6月20日には、ロシア人の女性観光客が、中国東北部の観光地である五大連池を旅行中に殺害された。遺体は、道路上に放置されたまま発見された。検死では、遺体は心臓部をナイフで一突きされていた。
ロシアTVは、4月にこの問題について特集し、ウラジオストック市民にインタビューした。ここは、中国の黒龍江省からごく近いところだ。「外国人労働者の取り締まり新法が施行されて、中国人が即刻にも立ち退かなくてはならなくなったが、これについてどう思うか?」の問いに、「中国人が、ここロシアに居ても悪くはないと思う。しかし、ロシア人が中国で劣悪な扱いを受けているのを中国人はどう見ているのか」と応じた。どうも、中露間の住民感情は、溝が深まるばかりのようだ。
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