【大紀元日本9月14日】中国当局は10日、外国通信社が中国国内においてニュースや写真、画像などを配信する場合、国営通信社・新華社の許諾を得るなどと規定した『外国通信社の中国領土における報道情報についての管理法令』(以下、『法令』)を発動したことについて、欧米諸国の関係者が異議の声をあげ、香港と台湾のメディア関係者や、国境なき記者団、国内の人権活動家なども相次ぎ見解を示した。
香港記者協会の会長・胡麗雲氏は、新しい法令の発動により、更なる多くの報道関係者が法律に触れる可能性が高くなり、ニューヨークタイムズ紙の記者・趙岩氏が逮捕された理由は、江沢民が軍部主席の座から降りる内部情報を先駆けて報道したためであり、このような案件はこれからさらに増えるだろうとの見解を示した。
胡麗雲氏は、この法令は香港の報道機構に影響を与え、報道の自由を制限、市民の知る権利を侵害する可能性があると述べ、一部の海外メディアは大陸の市場を保持するために、自己審査を強化する可能性が生じると指摘、香港特別行政区政府に対し、中国当局に香港の報道自由の重要性を訴えていくよう提議した。
国境なき記者団は、「中国当局のスピーカーである新華社の職権は、外国通信社の報道を審査するまでに拡大し、しかも報道の内容を削除する権限が与えられた」と強く非難、これは法律を踏みにじる怒るべき事態であると警鐘を鳴らした。
台湾の大陸委員会は、中国当局のこの行動は、明らかに報道の自由と情報の流通への封鎖と打圧をさらに強化したと非難した。
大陸委員会は、「かつて、中国当局は外国メディアの取材活動を妨害しながらも、公然と外国メディアの取材を制限することを避けていたが、今年6月に災害などに関する「突発事件応対法」を通過し、草案の中でメディアが突発事件を報道する際の制限条例を明確に定めたため、国際社会から、中国における報道の自由に対する姿勢に疑問を呈してきた。そのような状況の中で、今回の法令がさらに発動され、海外メディアの報道の自由が完全に排除される上、中国当局に報道を直接監視できる法的根拠を与えた」と述べ、中国当局によるメディアへの一連の制限と封鎖は、国内部の安定を維持するためであると指摘、「特に近年、中国において、貧富の格差や、地域の不均衡発展が深刻な社会問題となり、中国社会の安定を脅かす重大な危機で、中国当局は、社会秩序と政権の安定を維持するために、このように報道の自由を封殺する行動に出た」と分析した。
また、大陸委員会は国際社会に対し、中国当局がこれらの法令を撤回し、中国国民に自由な空間を還元するのを促すよう呼びかけた。
一方、北京の独立作家、「中文筆会」(編集者注:民間の作家が結成した団体)の会長・劉暁波氏は、「2004年から、中国当局は徐々に一般メディアとネットメディアへの封鎖をさらに強化してきた。現在ではそのコントロールが益々厳しくなっている」と指摘、一連の関連法令は、メディアによる事件への調査と報道を制限するためと分析、「以前では、中国当局は公然と言論の自由に干渉するのは道義上欠如していると微かに感じていたが、今回堂々と普遍的に適用できる法律までに制定した。これは長年にわたる中国当局によるメディアを封殺する政策方針の重大な転換である」と見解を示した。
中国当局の機関紙「中国青年報」が所轄する「氷点」誌の元責任編集長・李大同氏は、今年1月に中共の歴史を批判した文章を掲載したため懲戒免職された。同氏は、中国メディアはいかなる時期においても、外国メディア情報の引用を禁止しており、今回の法令の発動は中国当局に報道の自由を干渉する法的根拠を与えたに過ぎないとの見方を示した。
香港誌「開放」の執行編集者・蔡詠梅氏は、「近年、中国国内で突発的な事件が多発し、多くの危機が現れている。中国当局は報道を封殺することで、政権を固めようとしているが、今はインターネットの時代であり、多くの情報は依然ネットサイトから入手できる」と指摘、中国当局による報道規制の限界を分析した。大紀元時報のコラム作家・王一峰氏も、今回の法令の発動は、2008年北京オリンピックを前に、中国当局に計り知れぬマイナスな影響を与えるのが避けられないと述べた。
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