バブル経済で高騰する中国の住宅相場

2006/04/19
更新: 2006/04/19

【大紀元日本4月19日】最近の報道によると、現在の収入基準から見れば、中国都市部に住む人の70%は住宅を購入する能力がないという。にもかかわらず、中国の多くの都市で今も新しい住宅団地が絶えず建造されている。VOAのリスナーらが中国の住宅価格問題について意見を交換した。

あり得ないほど高い住宅価格

遼寧省の林氏は就職したばかりの大学卒業生だ。林氏は「私は大学を卒業したばかり。卒業後、まず就職をしなければならなかった。今は一応就職できたが、次の問題は住宅購入。中国の住宅価格は近年下がる気配が全くなく上昇の一途で、今の給料から生活費を除けば、お金はほとんど残らない。家を買うということは、私にとってまるでアラビアンナイトのように非現実的」と述べた。

浙江省の杜氏は、「住民の60%から70%が住宅を購入できないことは事実。しかし、私たちは房改房(※)を購入できる。私は80年代に会社から家を分配してもらった。家の大きさは大体50平方メートルで、2万6千人民元で購入。現在の住宅価格はあまりにも高いので、普通の労働者たちの中で購入できる人は一人もいないと思う。現在は政府、不動産会社とマスコミが共謀し、民衆の財産を搾取、私物化しようとしているのではないか」と話した。

また遼寧省の伍氏は、「私は都市部で住宅を購入しようと考える勇気すらない。私はこのように経済能力が無く、私の周囲も同様。実に、都市部住宅の多くが皆空いていて、住む人がいない。私たちが住んでいるのは皆父親や先祖から受け継いだもの。中国の諸事情は過熱し、経済は制御不能の感がある」と意見を述べた。

負うべき責任を果たしていない政府

広東省の伍氏は、政府の責任逃れを指摘、「住宅問題に関し、共産党は悩みの種を一般民衆に押し付けた」と述べた。

そして、浙江省の戴氏は、「確かに今の住宅価格はあり得ないほど高すぎると思う。普通の労働者は購入することができない。このような統計がある。もし給料が1月800人民元で、飲まず食わず100年続ければ、100年後やっと家を買える。毎月2500人民元の給料をもらっている公務員たちは、もし飲み食いしなければ30年後やっと家を買える。肝心なことは、政府が一般民衆を考慮していないことだ」と指摘した。

バブル経済を反映

江蘇省の施氏によると、住宅価格問題は中国バブル経済の反映だという。業者の開発資金は大部分が銀行からの借り入れで、住宅価格を吊り上げて利益を捻出、さらに開発資金を誘うのだという。別の一面では、政府が裏で操作、経済繁栄を演出しているのだという。

市場原理に従うべき調節

一方、福建省の黄氏によると、不動産開発業は国家の基幹産業の一つで、これによって就業機会を増やし、経済発展を促進してきた。これは一種の市場経済の行為であるので、市場原理に従って調節すべきであると述べた。

※:「房改房」とは、労働者が国家受託制度改革政策に従って、公有住宅を購入すること。