中国共産党 社会保険未加入者を「データで特定」 「払えない」と反発

2026/10/12
更新: 2026/10/12

中国共産党(中共)人力資源・社会保障部は10月10日、社会保険に加入していない人をデータから特定し、加入を働きかける方針を示した。これに対し、中国のSNSでは「仕事も収入もないのに何で払うのか」「払いたくないのではなく、払えない」と反発が広がっている。

人力資源・社会保障部の報道官で副部長の李忠は記者会見で、今年9月末時点の基本養老保険、失業保険、労災保険の加入者数が、それぞれ10億7900万人、2億5100万人、3億2700万人に達したと説明した。今後は「データで人を探す」取り組みを進め、社会保険に加入していない人を特定し、加入対象者への働きかけを強めるという。

李忠は「データで人を探すことは非常に重要だ。現在も加入していない人がいる。こうした人がどこにいるのか、さまざまな方法で探し出し、積極的に加入を働きかける必要がある」と述べた。

また、フリーランスなど柔軟な働き方をする人や出稼ぎ労働者、新たな就業形態で働く人に対し、都市従業員基本養老保険への加入を促す考えも示した。

「仕事も収入もないのに何で払う」 SNSで反発

未加入者をデータから特定して社会保険への加入を促す方針に対し、中国のSNSでは反発や皮肉が相次いだ。

「いっそのこと一軒一軒回って徴収したらどうだ。昔だってやっていたじゃないか」

「もう銀行口座ごと取り上げたらいい」

といった書き込みのほか、

「仕事も収入もない人が何で払うのか」

「払いたくないのか。払えないのだ」

との声も上がった。

ウェイボーで多くのフォロワーを持つ「清寧日月」は、柔軟な働き方をする人の多くは社会保険への加入を拒んでいるのではなく、保険料の負担が重いと指摘した。

「収入が安定せず、毎月の保険料を全額自分で負担しなければならない。月収が3千~5千元程度の人も多いのに、社会保険料だけで1千~2千元かかる。家賃や食費を差し引けば、手元にはほとんど残らない」

さらに、「老後に年金を受け取り、病気のときに医療保険を利用したいと考えるのは当然だ。しかし、加入を呼びかけるだけでは収入の問題は解決しない」とした。

インフルエンサー「夏語冰」も、「社会保険への加入は必要だが、その前提は仕事があることだ」と投稿した。

「毎月、生きていくのに必要な分しか稼げない人が、どこから社会保険料を出すのか。月に5千元、6千元、7千元、8千元の収入があれば、なぜ加入しないだろうか。重点を置くべきなのは、雇用機会をできる限り増やすことだ」

社会保障財政への懸念も

ネット上では、中国の社会保障財政が厳しくなり、未加入者から保険料を集めようとしているのではないかとの見方も出ている。

「社会保障制度の資金繰りはかなり厳しいのではないか」との書き込みもあった。

原文が引用する公式統計によると、2023年には中央政府から社会保障関連基金への補助が2兆4千億元を超えた。

また、中国社会科学院が2019年に公表した報告書では、一定の前提に基づく試算として、都市従業員基本養老保険基金の累積残高が2035年に底をつくとの見通しを示していた。