中央銀行を対象とした調査では、回答者の89%が、世界の中央銀行の金準備は今後1年間で増加すると予測した。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、世界の中央銀行は7月、金を純額で23トン購入した。これは年間を通じた全体的な傾向に沿った動きである。
WGCが9月3日に発表した報告書によると、7月の最大の買い手は中国で、20トンを購入した。
報告書は次のように述べた。
「注目すべきことに、中国人民銀行による購入はここ数か
月で加速しており、2026年5月以降、毎月2桁台の金を購入している」
ポーランドは8トンを購入し、2番目に大きな買い手となった。
最大の売り越し国はロシアで、6トンを売却した。トルコ、ウズベキスタン、ヨルダンがこれに続き、それぞれ1トンを売却した。
年初からの累計では、世界の中央銀行による金購入の報告量は130トンとなり、2025年同期の約160トンから減少した。ポーランドは今年90トンを積み増し、中国は60トンを購入した。一方、トルコは85トンを売却し、ロシアの売却量は計50トンに達した。
WGCによると、中央銀行は、これまでに採掘されたすべての金の約20%を保有している。金地金は流動性、安全性、潜在的な収益性が評価され、銀行にとって重要な準備資産となっている。不確実性が高まる時期には、金の需要が増える傾向がある。
WGCが6月16日に発表した報告書によると、中央銀行を対象とした調査では、回答者の89%が、世界の中央銀行の金準備は今後1年間で増加すると予測した。
購入資金については、回答者の半数が、自国通貨を使って国内で金を調達すると答えた。38%は、ほかの準備資産を売却して金を購入すると回答した。
報告書は次のように述べた。
「回答者の大半に当たる74%は、今後5年間で世界の準備資産に占める米ドル保有の割合が、ある程度、または大幅に低下するとみている」
「回答者はまた、ユーロや人民元など、ほかの通貨が占める割合は同じ期間に変わらない一方、金の保有量は増加すると考えている」
8月28日の報告書によると、ゴールドマン・サックスは、中央銀行による購入が金価格の上昇を支えると予測している。こうした購入の背景には、準備資産を多様化する必要性がある。
2022年、主要7か国(G7)は、ロシアによるウクライナ侵攻を理由に、欧州で保有されていたロシアの資産を凍結した。ゴールドマン・サックスによると、それ以降、中央銀行は金の購入ペースを加速させている。
金の現物価格は9月4日、1オンス当たり約4430ドルで取引を終えた。年初の約4329ドルから上昇した。金価格は1月下旬、約5595ドルの最高値を付けた。
金を引き出せず
WGCの9月3日付報告書は、金準備を巡るベネズエラとイングランド銀行の対立を取り上げた。
ベネズエラ政府は、同行に約40億ドル相当の金を保管しており、その引き出しを求めてきた。しかし、英国がベネズエラの社会主義政権を承認していないため、同国は金準備を確保できていない。
WGCの6月16日付報告書によると、中央銀行は金準備の保管場所の分散を続けている。イングランド銀行が引き続き最も選ばれる保管先で、国内保管が僅差で2位、国際決済銀行(BIS)が3位となった。
オランダの中央銀行は今週、地政学的リスクを理由に、米国とカナダからロンドンへ約86トンの金を移す計画を発表した。
ING銀行のコモディティ・ストラテジスト、エワ・マンセイ氏は、同社ウェブサイトに9月4日付で掲載された論評で、ベネズエラがイングランド銀行から金を回収できない事例を挙げ、金を国外に保管する一部の国が直面するリスクを指摘した。
マンセイ氏は次のように述べた。
「この事例は例外的だが、保管国の裁判所や政治的な承認を巡る決定が、準備資産へのアクセスに影響を与え得ることを示している」
「イングランド銀行に保管された金は、引き続き外国の中央銀行の所有物である。しかし、物理的には英国に置かれているため、英国の司法管轄に服する」
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