米司法省(DOJ)は8月21日、トランプ政権下で、法執行機関による麻薬取り締まりが大きな成果を上げたと発表した。
大量の麻薬を相次いで押収
司法省が8月21日にSNSのXへ投稿した内容によると、米麻薬取締局(DEA)は2025年、フェンタニルが混入した偽造錠剤4700万錠以上と、フェンタニル粉末約1万ポンド(約4.5トン)を押収した。押収量は、フェンタニルの致死量3億6900万回分に相当する。
さらに、2026年初めから現在までにDEAが押収したフェンタニルの総量は、致死量2億3900万回分に相当する。
司法省は投稿で、「わずか2ミリグラムのフェンタニルは、塩一粒よりも軽い量で人を死亡させる可能性がある。司法省は今後もフェンタニル危機への対応に取り組み、米国民とわれわれの地域社会の安全を守っていく」と表明した。
DEAも8月21日に声明を発表し、フェンタニルが米国社会にもたらす脅威に対し、引き続き警戒するよう国民に呼びかけた。DEAによると、この合成オピオイドはモルヒネの約100倍、ヘロインの約50倍の効力を持つ。
麻薬組織、フェンタニルを偽造錠剤に加工
法執行機関によると、メキシコのハリスコ新世代カルテル(CJNG)とシナロア・カルテルは、フェンタニルを、アルプラゾラム(ザナックス)オキシコドン、パーコセットなどの処方薬に外見を似せた偽造錠剤に加工している。
これらの犯罪組織は、フェンタニルをコカイン、メタンフェタミン、ヘロインと混ぜ合わせて錠剤も製造している。
シナロア・カルテルとハリスコ新世代カルテルは、いずれも2025年に外国テロ組織に指定された。
米国の薬物過剰摂取死、フェンタニルなどが最多
米疾病対策センター(CDC)が5月13日の声明で公表したデータによると、フェンタニルを含む合成オピオイドは、2025年に米国で発生した薬物過剰摂取による死亡で最も大きな割合を占めた。メタンフェタミンを含む精神刺激薬がこれに続いた。
DEAによると、フェンタニル中毒になった人の多くは、自分がフェンタニルを摂取したことすら知らなかった。DEAは、安全な薬は、認証を受け、免許を持つ医療専門家から提供されたものだけだと指摘した。
DEAニューヨーク支局の責任者、ファルハナ・イスラム氏は声明で、「親は多くの場合、フェンタニルや偽造錠剤の危険から子供たちを守る最初の防衛線である。一度の会話が、命を救う知識をもたらす可能性がある」と述べた。
フェンタニルの供給源、中国共産党が補助
米政府監査院(GAO)が2025年9月に公表した報告書によると、米国に流入するフェンタニルの大半はメキシコから来ており、メキシコの麻薬組織が製造に使用する化学物質と設備は中国から供給されている。
共和党のヤング・キム下院議員(カリフォルニア州)は6月、フェンタニル危機で中共政権が果たしている役割を巡る下院小委員会の公聴会で、中共政府が合法的な用途を一切持たない少なくとも17種類の致死性化学物質の輸出に補助金を出していると述べた。
キム氏は、中共政権がある前駆体化学物質の規制を発表しても、中国の製造業者は別の前駆体化学物質に切り替えるだけでよいと指摘した。
キム氏は、「なぜ中共政権は、こうした死の工場が稼働を続けることを許しているのか。それは、中共が米国を苦しめることに戦略的価値があると考えているからだ。中共は、人命ではなく地政学的な影響力を繰り返し選んでいる」と述べた。
トランプ政権が対策を強化
トランプ政権は、中共によるフェンタニル前駆体化学物質の輸出を抑制するための措置を講じてきた。
連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は2025年11月、記者会見で、中共政権がメキシコ、カナダ、米国への13種類のフェンタニル前駆体化学物質の輸出を規制すると約束したと述べた。
トランプ大統領は2025年12月、フェンタニルを大量破壊兵器に指定する大統領令に署名した。トランプ氏はまた、敵対勢力が米国人を殺害することも目的の一つとして、フェンタニルを米国へ密輸していると警告した。
トランプ氏は、「彼らは麻薬でわれわれの国を破壊しようとしている。歴史を見ればよい。かつての中国を見てほしい。当時、中国には麻薬があふれ、人々は甚大な苦しみを受け、ほかの者たちが中国を支配できるようになった」と述べた。
さらに、「いかなる爆弾も、これほどの影響をもたらすことはできない」と指摘した。
トランプ氏は、最近米国へ流入するフェンタニルの量が50%減少したと述べている。
責任編集:李宇圓
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。