中国 当局発表と民間の疑念に隔たり

中国の朝市にSUV突入 また「社会報復」か

2026/08/17
更新: 2026/08/17

中国では近年、車で無関係な人々を襲う「社会報復型」の事件が相次いでいる。

当局はこうした事件の多くを交通事故として処理し、詳しい経緯を明らかにしない。そのため民間では、車が人混みに突っ込むたびに「また社会報復ではないか」と疑う空気が広がっている。

こうしたなか、中国南西部の貴州省で17日朝、白いSUVが朝市の人混みに突っ込み、複数の歩行者をはねた。当局は今回も「事故」と説明している。

ネットに投稿された当時の映像には、朝市の路上に複数の人が倒れたまま動けず、白いSUVの周囲に負傷者が相次いで横たわる痛ましい光景が映っている。

警察によると、運転していたのは48歳の男性で、地下駐車場の出口付近を走行中に車が制御を失い、歩行者をはねたという。飲酒や薬物の反応は確認されなかった。負傷者は病院へ搬送され、いずれも命に別条はないとしている。

一方、現地では、運転手が故意に人混みへ突っ込んだとの情報も出ているが、現時点で裏付けは取れていない。

中国では今年に入ってからも、似た事件が各地で起きている。

6月には、中国中部の湖北省随州で、車が歩行者を次々とはね、電柱や道路設備にも衝突した。ネット上では20~30人が死傷したとの情報が出たが、当局は詳しい被害を明らかにしていない。

同じ月には河南省漯河でも、車が次々と衝突する大規模な事故が発生した。この事故については、社会への報復を目的とした事件だったとの情報も出ている。

5月1日には、中国西部の四川省成都で、車が繁華街を横断していた人々に突っ込み、その後もバイクなどに衝突した。1人が死亡し、11人が負傷した。逮捕された31歳の男は、車を降りた際に刃物を持っていた。

3月には北京郊外の市場で、50代の男が重機を運転し、露店や買い物客に繰り返し突っ込んだ。車内から大量の告発資料が見つかったとされ、長年訴えても問題が解決しなかったことへの報復だった可能性が指摘されている。

こうした事件が繰り返されるなか、当局が「事故」と発表しても、その説明をそのまま信じない人が増えている。今回の突入が単なる事故だったのか、それとも故意だったのか、詳しい経緯は明らかになっていない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!