コンゴ民主共和国で発生しているエボラ出血熱の流行が、急速に拡大している。
現地保健当局は今月11日、これまでに2011人が死亡し、5州で計4381人の感染が確認されたと発表した。今回の流行は、同国がこれまで経験したエボラ出血熱の流行の中でも、最も速いペースで拡大している。
特に懸念されているのが、死者数の急増だ。死者は1千人から2千人を超えるまで、わずか1か月足らずで倍増した。これに対し、2018年から2020年にかけて発生した大規模な流行では、死者数が2000人を超えるまでに1年以上を要した。
今回の流行は、コンゴにとって17回目となる。原因となっているウイルスは、ブンディブギョ型に分類される。現時点で、この型に対して正式に承認されたワクチンや特効薬はなく、既存のエボラワクチンが有効かどうかについて、世界保健機関(WHO)などが研究を進めている。
WHOは5月17日、今回の流行について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)に該当すると判断した。感染はコンゴ国内にとどまらず、隣国ウガンダでも、コンゴからの入国者に関連する感染例が確認されている。
一部の研究では、ウイルスは今年1月、あるいはそれ以前から広がり始めていた可能性も指摘されている。
感染対策上の大きな課題となっているのが、感染者の発見が遅れがちなことに加え、医療物資が不足している点だ。さらに、一部の流行地域では武力衝突が続き、治安情勢も不安定なため、患者との接触者を特定し、隔離する作業が難航している。
このまま感染拡大が続けば、現地の医療体制は今後、さらに大きな負担を強いられることになる。救援物資の確保や医療態勢の拡充に加え、感染地域へのアクセスをどう確保するかが、流行を抑え込む上での焦点となる。
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