中国問題に詳しい専門家は、ホワイトハウスが中国共産党(中共)党首の習近平を迎える際に用意した大規模な演出について、雰囲気を盛り上げることはできても成果の代わりにはならず、首脳同士が表面上、個人的に友好関係を示すことは緊張緩和にはつながっても、約束の履行に代わるものではないと指摘した。
米国務省でかつて「中国政策企画首席顧問」を務めた余茂春(マイルズ・ユー)氏は9月24日、SNSのXへの投稿で、米中首脳会談を本当に評価する基準は「レッドカーペットがどれだけ長かったかではなく、レッドカーペットが片付けられ、戦闘機が着陸した後、中共政府が実際にどれだけ約束を履行したかだ」と述べた。
余氏は、今回の首脳会談を測る本当の基準は、歓迎式典がどれほど盛大だったかでも、両首脳がカメラの前でどれほど友好的な言葉を交わしたかでもなく、まして共同声明にどれだけ耳触りのよい外交辞令が盛り込まれたかでもないと指摘した。
余氏は、第1次トランプ政権で米国の対中政策を強硬路線へ転換させるうえで中心的な役割を担った側近の一人で、現在は米シンクタンク、ハドソン研究所の中国センター所長と、フーバー研究所の客員研究員を務めている。
余氏によると、大掛かりな式典や外交上の演出は、むしろ一つの基本的な事実を反映しているという。今年5月以降、米中双方は実質的に重要な問題で大きな突破口を開けていないという点である。
余氏は、双方とも相手より弱い立場にあると見られることを望まず、自ら譲歩して和解を急いでいるとも見られたくないため、実質的な成果が限られる状況では、「儀礼、演出、象徴性、そして力の誇示が自然と前面に押し出される」と説明した。
中国問題に詳しい余氏は、習近平にとって、大規模な政治儀式、周到に設計された礼賓、象徴的な場面の演出は、もともと中共の政治文化や外交運営の重要な一部だと指摘した。
一方、トランプ氏が示した「演出」は、単なるレッドカーペットや儀仗隊、国賓晩さん会だけではなく、実際の国家力を示すものだったという。そこには世界最先端の科学技術を担う人物のほか、先進的な爆撃機や戦闘機などの軍事力も含まれていた。
余氏は「習近平に送られたメッセージは非常に明確だ。米国は中国側の指導者に最高水準の礼遇を与えることができるが、その礼遇の背後には米国の強大な経済力、科学技術力、軍事力がある」と述べた。
トランプ氏は24日、ホワイトハウスで習近平を迎える一連の行事を終えた後、SNS「トゥルース・ソーシャル」に写真を投稿した。写真は前日の23日、アンドルーズ統合基地で習氏を出迎えた際に撮影されたもので、両首脳の頭上をB-1B「ランサー」超音速戦略爆撃機が飛行している場面だった。
外交上の発言と政府の実際の行動を同一視すべきでない
余氏は、トランプ大統領が公の場で習近平を個人的に称賛しているからといって、それを米政府の対中政策の軟化と単純に捉えるべきではないと注意を促した。
「個人外交で使う言葉と、政府の実際の政策や行動は別の問題だ」と余氏は投稿した。
さらに、「トランプ氏はカメラの前で習近平を称賛することができる。一方で、政権のほぼすべての主要部門は、関税、制裁、輸出規制、中国企業や個人を対象とした法執行措置、そして西太平洋における同盟国との連携や軍事配備の急速な強化を通じ、絶えず中共政府に圧力をかけている」と指摘した。
余氏はまた、「米国の対中政策が実際にどのようなものなのかを判断するには、大統領が何を言ったかだけでなく、大統領の下で米政府が実際に何をしているのかを見る必要がある」と付け加えた。
余氏はさらに、双方が今回の会談で重視する点の違いについても分析した。
習近平にとって今回の首脳会談の重要な目的の一つは、現在の貿易休戦を維持し、可能な限り長引かせることで、米中間の経済・貿易摩擦が再び全面的に激化する事態を避けることだという。
一方、トランプ氏が重視しているのは、より具体的な問題だとした。
具体的には、中共政府がこれまでに表明した多くの約束を本当に履行しているのか、特にレアアースや重要鉱物の供給、米国産農産物の購入、米国企業に対する実質的かつ意味のある中国市場へのアクセスなどについて、検証可能な進展を示しているかどうかである。
余氏は、「本当に注目すべきことは一つしかない。中共政府がすでに表明した約束を、測定でき、検証でき、実行できる具体的な行動へと転換するかどうかだ」と述べた。
ポンペオ元米国務長官も24日、SNSに投稿し、「忘れてはならない。トランプ大統領は、中共が米国に脅威を与えていると公に認め、米国が勝利を確実にするため政策を転換した初の大統領だ」と述べた。
ポンペオ氏は、この戦略は「アメリカファースト」の核心であり、習近平の米国国賓訪問中、すべての米政府当局者が念頭に置くべきことでもあるとした。
責任編集:林姸
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