中国で豚の価格が下がり続け、養豚農家が苦境に立たされている。
原因は、豚が増えすぎて供給が需要を上回っていることだ。価格が下がり、いまでは飼料代や人件費など、豚を育てる費用すら回収できない農家が出ている。
2026年上半期の豚価格は1キロ平均10.39元(約243円)で、前年同期より30%下落。4月には約8年ぶりの安値をつけた。
中国メディア「経済観察報」が紹介した、10年以上養豚を続ける徐瑞傑さんもその一人だ。
徐さんの場合、豚1頭を約125キロまで育てるのに約1350元(約3万1600円)かかる。しかし、8月初めの価格では売っても約1300元(約3万400円)。時間と費用をかけて育てても赤字になる。
このため徐さんは、子豚を産ませる繁殖用の雌豚を約2千頭から約100頭まで減らした。これ以上、自分で豚を増やして赤字を抱えないためだ。
さらに今後は、自分で豚を増やして販売する経営から撤退する。代わりに、企業から子豚を預かって育て、成長したら返して飼育料を受け取る方式に切り替えるという。豚の値下がりによる損失を自分で抱えず、「豚を売る」のではなく「豚を育てる仕事」で稼ぐ形だ。
さらに厳しいのが、小規模な養豚農家である。
豚の飼育費のうち、6~7割を占めるのが飼料代だ。大手のように大量仕入れでコストを抑えることが難しいため、小規模農家は価格競争で不利になる。そこで市販の配合飼料を減らし、自分で安く飼料を作るなど、少しでも経費を削ろうとする農家も出ている。
それでも採算が合わず、養豚そのものをやめる農家もいる。
豚肉が安くなるのは消費者にはありがたい。だが、安すぎれば作る側が持たない。
中国ではいま、豚余りによる価格下落で、「どうすれば豚を安く育てられるか」ではなく、「養豚を続けられるか」そのものが問われ始めている。
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