熊本地震で被害を受けた八代市の小野泰輔市長が、台湾各界からの支援に謝意を示した。断水や燃料不足が続く被災地の現状とともに、台湾の募金・救援の動き、そして「日本の最良の隣人」と呼んだ背景を伝える。
熊本で強い地震が発生した後、被災地での救援活動は続いている。大きな被害を受けた八代市の小野泰輔市長は30日、中央社の電話取材に応じ、台湾各界からの関心と支援に感謝を述べたうえで、台湾を「日本の最良の隣人」と表現した。
小野市長は、日本が大きな災害に見舞われるたびに、台湾はいつも真っ先に手を差し伸べてくれるとし、「こうした温かい支援は、きっと被災地復興の重要な力になる」と話した。
台湾の賴清徳総統はきょう(31日)、熊本地震の後、自身をはじめ、蕭美琴副総統、卓栄泰行政院長、鄭麗君行政院副院長がすでに寄付を行っており、各県市長も支援の意思を示したと述べた。外交部はすでに募金口座を設置しており、産業界、企業、一般市民に広く寄付を呼びかけ、日本が一日も早く困難を乗り越えられるよう支援している。
被災地で深刻化する断水と生活物資不足
中央社によると、小野市長は現在、八代市で最も切迫している問題は捜索救助ではなく、市民生活に必要な物資だと話した。地震で上水道管が損傷し、市内約11万8,000人の住民のうち、約5万6,000人がなお断水している。市民のほぼ半数が水道水を使えない状況だ。猛暑のなか、一部地域では停電のため冷房も使えず、避難生活はさらに厳しくなっている。
「最大の問題はやはり水です」。小野市長は、現在は避難所で暮らしている人もいれば、自宅にとどまっている人もおり、車中泊で避難している人も少なくないと話した。暑い天候の中、多くの住民は一晩中エンジンと冷房をつけたままにしなければならず、その結果、別の問題も生じている。「ガソリン不足」だ。
小野市長によると、現在、八代市のガソリンスタンド前には長い列ができ、市内の交通もそのために深刻に渋滞している。八代港には石油備蓄施設があるが、外部とつながる道路が地震による液状化の影響を受け、一時は通行できなかった。幸いにも熊本県庁が急いで道路を復旧させ、30日からは備蓄基地からガソリンを市街地へ運べるようになったため、供給状況は徐々に改善する見込みだが、それでもなお中央政府による追加の燃料調整が必要だという。
捜索救助活動について小野市長は、八代市では倒壊した建物に人が取り残されている可能性があるとして、これまで徹底した捜索を続けてきたが、概ね完了したと話した。ただし、隣接する氷川町では住宅の倒壊状況がより深刻で、救助隊はいまだ人が取り残されていないか捜索を続けている。
小野市長が語った台湾への思い
台湾各界が相次いで募金や救援活動を立ち上げていることについて、小野市長は、言語の問題があるため、「直接人を派遣するよりも、物資や資金面での支援のほうが適している」と話した。現在最も必要なのは飲料水、食料、簡易トイレなどの生活必需品であり、その後、避難生活が長引くにつれて、段ボールベッドや避難所の間仕切りなど、居住環境を改善する設備の需要も徐々に増えていくという。台湾の民間団体が被災地で炊き出しを行うことについて歓迎するかどうか問われると、小野市長は「大歓迎です」と率直に語った。
さらに、「温かい食事が提供されるなら、それが台湾料理であれば、日本の人々はきっと皆うれしく思うでしょう」と笑顔で話した。熱々の料理は単に空腹を満たすだけでなく、疲れ切った被災者の気持ちを少し和らげ、大きな慰めになると考えている。
台湾社会による活発な募金、また中華民国の賴清徳総統が個人名義で100万円を寄付すると発表したことについても、小野市長はあらためて台湾に謝意を示した。
「台湾は本当に日本の最良の隣人です」と小野市長は述べ、日本で重大災害が起こるたびに台湾はいつも非常に温かい支援を寄せてくれるとし、「頼総統だけでなく、多くの台湾の皆さんの助けに、私は本当に深く感謝しています」と語った。台湾からのこうした善意は、被災地復興の重要な力となる。
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