防衛省 市ヶ谷庁舎に中国製電動キックボードなど導入 ネット上で物議

2026/07/01
更新: 2026/07/01

防衛省が、市ヶ谷庁舎の敷地内に電動キックボードと電動アシスト自転車を新たに導入したことを明らかにした。広大な庁舎内での移動を円滑にし、業務効率の向上や職員が力を発揮できる環境づくりにつなげる狙いがあるとしている。しかしネット上で波紋を呼んでいる。

市ヶ谷庁舎は東京ドーム約5個分の広さがあるとされる。防衛省は、こうした敷地内での移動負担を軽減するため、新たな移動手段として電動キックボードと電動アシスト自転車を導入したと説明している。

一方、この導入をめぐり、ネット上ではセキュリティ面や安全性を懸念する声が上がっている。特に注目されているのは、導入された車両がシェアリングサービス「LUUP」の車両とみられる点である。ネット上では、車両が通信機能を備え、位置情報を常時取得・送信するスマートフォン連携前提の製品であることや、車両自体が中国製である点を問題視する指摘が出ている。

LUUPを展開する株式会社Luupは、電動キックボードをはじめとするマイクロモビリティの機体企画から製造までを行っている。2021年1月には、ファーウェイ・ジャパンで通信機器のプロジェクトマネージャーを務め、中国語などを用いて海外工場との連携や交渉を行ってきた鄭万哲氏がハードウェア統括に就任し、機体開発を主導している。

通信機能付きの充電器や掃除ロボットなど、IoT機器をめぐる情報漏洩リスクが問題視される事例が増えているとして、行政機関や公的機関が十分な検証を行わずに導入を進めることには慎重であるべきだとの意見もある。防衛省が国家の安全保障を担う中枢であることから、導入機器の通信仕様や製造元に対する警戒感が広がっている形だ。

こうしたIoTデバイスとしての機能や、海外工場で製造されるハードウェアの背景が、防衛省への導入に対する警戒感につながっているとみられる。

セキュリティ面に加え、電動キックボードそのものの安全性を疑問視する声もある。操作方法が一般的な自転車とは異なり、制動操作にも独特の癖があるため、誰でも直感的に扱える乗り物とは言い難いとの意見がある。また、電動キックボードに対する社会的な評価が厳しくなっているとして、仮に導入を継続する場合でも、自転車タイプに限定すべきだとの声も出ている。

さらに、庁舎内の移動手段として「巡回バスで良いのではないか」とする代替案も示されていた。バスであれば雨天時でも濡れずに移動できるうえ、退官した自衛官を運転手として雇用すれば、人材活用にもつながるとの指摘である。

防衛省による今回の導入は、庁舎内の移動効率を高める目的で行われたものである。一方、防衛省という施設の性質上、通信機能を持つ機器の導入や製造元、安全性への視線は厳しい。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます