AIで仕事は楽になるのか 効率化の裏で増える確認作業

2026/06/30
更新: 2026/06/30

AIは業務を効率化し、生産性を高める技術として注目されている。すでに一部の大企業では、AIを従業員の業務プロセスに取り入れている。しかし、現場の従業員からは、必ずしも期待されているほど業務負担が減るわけではないとの声も出ている。

CNBCによると、人事ソフトウェア大手Workdayが今年1月に実施した調査では、従業員の85%が、業務でAIを使うことで週に1〜7時間を節約できていると回答した。一方で、AIが生成した内容の修正、書き直し、編集、確認に、多くの時間を費やしている実態も明らかになった。

テキサス州オースティン在住の人事採用担当者リンダ・レさんも、そうした課題を実感している。27歳のレさんは現在、人事管理ソフトウェア会社で採用担当として働いている。採用業務では、候補者の検索、選別、評価などに複数のAIモデルを活用している。

レさんによると、AIは一部の業務では確かに時間短縮につながる。例えば、ロサンゼルス在住のソフトウェアエンジニアの候補者リストを短時間で作成できるという。しかしその一方で、AIが示した内容の修正や確認に、勤務時間のほぼ半分を費やしていると見ている。

AIが、ある候補者の履歴書と職務内容の一致度を95%と示すことがある。しかし実際に詳しく確認すると、一致度は30%程度にすぎない場合もあるという。また、十分な資質を持つ候補者を、AIが「不適合」と判断することも少なくない。こうした誤りを修正するため、レさんはすべての情報を改めて確認しなければならない。

レさんは、AIによって一部の業務が速くなったことは認めている。ただし、それは人々が想像するほど簡単なものではないという。「人々はAIを効率的だと考えていますが、その効率は、誰かがAIを操作し、裏側で多くの作業を行い、AIの誤りを見つけて修正しているからこそ成り立っているのです」と話す。

アメリカ心理学会で応用心理学を担当するデニス・ストール氏は、AIが誤りを起こしやすいという事実は、従業員にさらなる不安をもたらすと指摘する。AIが生み出した誤りを見落とせば、望ましくない結果につながる可能性があるためだ。従業員の立場からすれば、AIを使いこなすだけでなく、どこまで信頼してよいのかを常に判断しなければならない。

グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者は昨年11月のインタビューで、AIモデルは誤りを起こしやすいと述べた。その上で、「これらのツールの強みを生かす方法を学ぶ必要がある。AIの言うことをすべてうのみにしてはならない」として、利用者に確認の重要性を呼びかけた。