中国共産党(中共)寄りのベネズエラのマドゥロ大統領が米軍に捕らえられ、ベネズエラが急速に右傾化し親米・中共離れを加速させたのに続き、南米でまた一つの国に変化が生じた。6月21日、コロンビアの右派独立系候補アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ氏が新大統領に当選した。同氏はそれに先立ち、トランプ米大統領から公然と支持を受けていた。
デ・ラ・エスプリエジャ氏の勝利後、ルビオ米国務長官はエスプリエジャ氏と電話会談を行い、祝意を伝え「トランプ政権は、地域の安全保障協力の推進、米国への不法移民の終結、そして双方の経済関係の強化に向けて、あなたの次期政権と緊密に協力することを期待している」「コロンビアの輝かしい未来はすぐ目の前にある」と述べた。
デ・ラ・エスプリエジャ氏のこの勝利は、中国共産党(中共)の指導部の首脳にとって間違いなく大きな落胆であり、官製メディアは第一報で結果がまだ確定していないと報じた。
というのも、2025年5月、コロンビアのペトロ大統領がちょうど中国を訪問したばかりだったからである。中共党首・習近平はペトロ氏と「実り多い」会談を行い、双方は「一帯一路」構想の共同建設に関する意向書および重要な協力文書に署名した。
中共の官製メディアの表現によれば、ペトロ氏の訪中は二国間協力が新たな段階に進んだことを示すものであり、コロンビアの米国に対する経済的・政治的依存を打破し、対中経済貿易・技術関係を深化させることを目指すものでもあった。現在、中国はコロンビアにとって第二の貿易相手国である。
中共から政治・経済面での確約と支援を得て帰国したペトロ氏は、米国に対しても「強気」な姿勢を見せるようになった。米国が中国企業によるコロンビア国内プロジェクトへの融資を阻止したことに対して「ノー」を突きつけただけでなく、麻薬関与を理由に米国が自国の高官に制裁を科し、在米金融資産を凍結し、コロンビア国民を一方的に送還したことにも強く抗議した。一方の中共はペトロ氏を力強く支持し、米国の制裁を内政干渉、他国への口出しだと批判したが、実際の行動を伴うものではなかった。
結果として、1年余り強気の姿勢を維持したペトロ氏は、その同盟者であった大統領候補イバン・セペダ氏が新たな大統領選の決選投票で敗北した後、沈黙した。では、新大統領デ・ラ・エスプリエジャ氏の就任は、中共にとって何を意味するのか。
ウィキペディアによると、デ・ラ・エスプリエジャ氏は政治運動「祖国の守護者」の指導者であり、デ・ラ・エスプリエジャ法律事務所の創設者であり「鉄拳の法と秩序」を主張している。同氏が出馬を決めた理由は「神がその時が来たと告げたからだ」というものである。
選挙期間中、同氏の中核的なスローガンの一つは「コロンビアを救え」であり、国内の左翼勢力と「共産主義」勢力を徹底的に打倒し根絶することを誓った。これは中共との距離を置くことを意味するのか「一帯一路」への参加を継続しないということなのか。中共にとっては堪え難い事態である。
さらに、同氏が掲げる政治的公約は以下のようなものだ。
・武装勢力との和平プロセスを終結させ、軍事的手段を通じて違法武装組織と麻薬カルテルを段階的に徹底壊滅する
・エルサルバドルのブケレ大統領を手本に、コロンビアに10か所のスーパー刑務所を建設し、犯罪者を大規模に収容する
・市民の合法的な銃器所持を認め、犯罪に対抗する有効な手段と位置づける。各省庁を廃止する
・コロンビアが米州人権裁判所および国連などの国際機関から脱退することを推進し、ギャング組織の徹底掃討を容易にする
・ペトロ氏が断絶したイスラエルとの関係を回復する
デ・ラ・エスプリエジャ氏の核心的な理念は、犯罪の撲滅、祖国の防衛、伝統的家族の維持、自由市場経済の推進、国家権力の縮小、私有財産の擁護で、一方で女性の自発的養子縁組、フェミニズムを支持すること、安楽死および同性パートナーなどには反対している。
明らかに、デ・ラ・エスプリエジャ氏の理念と公約はトランプ政権の意に沿うものであり、アルゼンチンを再生させたミレイ大統領の路線とも高度に一致している。コロンビアで起きているこの一連の動きは、あたかもアルゼンチンの再現のようでさえある。
2023年11月、同じく自由市場経済の推進、国家権力の縮小、私有財産の擁護を主張するミレイ氏がアルゼンチン大統領に当選した後、大胆な経済改革を断行し、政府部門を削減し、財政赤字を縮小し、米国との友好関係を発展させ、米国に追随して国際機関から脱退するなどの施策を進めた。
注目すべきことに、当時、共産主義と社会主義に対する明晰な認識を持っていたミレイ氏は、「共産党」とは協力しないと明言し、中共政権との完全な「デカップリング」を目指すと表明していた。ミレイ氏はかつて中共を「暗殺者」と形容し、中国の人民は「自由ではない」と述べていた。一方、前任のフェルナンデス大統領は一貫して親中共政策を推進し、中共を「真の友人」と称していた。
今、デ・ラ・エスプリエジャ氏も同様に親中共の前任大統領に取って代わった。もしデ・ラ・エスプリエジャ氏がミレイ氏の道を歩むなら、コロンビアにはどのような明日が待っているのか。アルゼンチンがすでにその答えを示している。
2年余りの「ショック療法」を経て、アルゼンチン経済は回復に転じ、GDP成長率は8%と過去最高を記録し、総雇用は11万3千人増加した。政府部門の賃金は低下したが、民間部門は横ばいまたは上昇し、消費は過去最高水準に達し、輸出は1千億ドルに上った。ミレイ氏は、インフレ率はなお比較的高いものの、低下傾向にあることを認めている。
ミレイ氏は先日の演説で次のように述べた。
「自由の理念は確かに機能する。そして、我々がより力強く自由の理念を擁護すれば、繁栄する未来が我々を待っている」
もしコロンビアが同じく正しい道を歩むならば、同じビジョンが実現しないとどうして言えようか。
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