アメリカの連邦巡回控訴裁判所は6月11日、法的手続きが終了するまでの間、政府が今年2月に導入した全世界に一律で課す10%の関税について、引き続き徴収できるとする判断を示した。
この判断により、下級審が出していた関税の差し止め命令は一時的に効力を停止された。
控訴裁判所は意見書の中で、「連邦政府は本案において勝訴する可能性が高いことを十分に示している」と指摘している。
また、関税の発動を差し止めた場合、アメリカの通商政策に回復不能な損害が生じるおそれがあるとの認識も示した。
10%関税の法的根拠と通商法122条
今回の判断の争点となっているのは、1974年通商法第122条である。
この規定では、「深刻な国際収支赤字」に直面した場合、大統領が最大15%の関税を最長150日間、暫定的に課すことが認められている。
トランプ政権は今回の措置について、製造業の国内回帰を促すとともに、非協力的な貿易相手国に対する圧力を強めることを目的としているとしている。
この関税措置は、連邦最高裁が今年2月に「解放の日関税」と呼ばれる措置を覆した後に示された代替策である。
一方、ニューヨークの国際貿易裁判所は先月、この関税について2対1で違法と判断し、大統領が議会から与えられた権限を逸脱していると認定していた。
これに対し控訴裁判所は、下級審の判断について、法解釈が限定的すぎるとの見方を示した。
また、企業側に利益の減少や成長の制約が生じる可能性はあるとしながらも、仮に最終的に関税が違法と判断された場合には、利息を含めた返還によって損害は一定程度軽減されると指摘した。
原告側の反応と今後の訴訟の行方
この訴訟は、オレゴン州やワシントン州など20以上の州と、一部の中小企業が共同で起こしたものである。
原告企業を代表する団体の責任者は声明で、差し止めが維持されなかったことは遺憾だとしたうえで、今回の判断は最終的な結論ではないとして、今後も訴訟を続ける考えを示した。
この10%の一律関税は、7月24日に期限を迎える見通しである。
控訴裁判所は現時点で徴収の継続を認めているが、関税の合法性については今後の審理で判断されることになる。
また、この問題は最終的に連邦最高裁まで争われるとみている。
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