中国の渡航警告が日本の「脱中国」を後押し 他国からの観光客で人数 売上ともに最高

2026/05/18
更新: 2026/05/18

中国共産党(中共)が先に中国国民に対して「日本への渡航を避ける」よう呼びかけた措置は、日本の観光業に打撃を与えるどころか、日本が中国人観光客への依存から脱却する動きを加速させている。日本のメディアは5月17日、中国人が来ないほうがむしろ好ましく、日本の「脱中国」を後押ししていると報じた。

中共政府による訪日ボイコット呼びかけ、効果上がらず

2025年11月、高市早苗首相は国会答弁で「台湾有事」が日本の「存立危機事態」に該当しうるとの見解を示した。中共は直後に、日本の治安情勢および「日本の指導者による台湾をめぐる露骨な挑発発言」を理由に、中国公民に対し訪日を避けるよう注意喚起した。これは中共政府による経済的報復措置と受け止められた。

しかし日本のヤフーファイナンスが17日伝えたところによると、中共政府の措置は日本の観光業に打撃を与えるどころか、結果として日本の中国人旅客への依存脱却を加速させているという。

統計データによれば、2025年の訪日外国人旅行者数は延べ4270万人に上り、前年の3690万人を大きく上回って過去最高を更新した。訪日外国人の日本国内での消費総額もおよそ9兆5千億円に達し、こちらも過去最高となった。

2025年の訪日客数、過去最高を更新

中共政府が警告を発した直後、中国からの訪日予約には一時およそ30%のキャンセルが発生した。

旅行データ調査会社「チャイナ・トレーディング・デスク」のスブラマニア・バット最高経営責任者(CEO)は2025年11月、ブルームバーグに対し、日本の観光業は明確な打撃を受け、年末までに観光消費の損失は最大12億ドルに達し、中国人旅行者の不在が2026年まで続いた場合、累計損失は90億ドルに上る可能性があると警告していた。

ところが実際の数字はこうした予測を完全に覆した。中国からの旅行者は50%以上の大幅減となったものの、韓国、台湾、米国からの旅行者の力強い伸びが、その穴を急速に埋めた。

米観光業誌スキフトが1月に伝えた報告によれば、2025年通年の訪日外国人数は延べ4270万人と過去最高を記録した。

NBCニュースによると、今年1月の訪日韓国人は118万人で前年同月比22%増、単月として過去最高を記録した。台湾からは69万4500人で17%増、米国からは20万7800人で14%増となった。

ブルームバーグのデータによれば、中国からの旅客が低迷を続けるなかでも、今年2月の訪日外国人総数は前年同月比6.4%増となった。

米州、欧州、豪州からの長距離旅客の増加は、一人当たり消費額を一段と押し上げている。スキフトは、2025年通年で欧州、米州、豪州からの旅客は計22%増となる見通しで、長距離旅客は滞在期間が長く消費額も大きいため、観光消費全体の規模をさらに押し上げると予測した。

日本の観光業全体は恩恵

観光庁が5月15日に発表したデータによれば、2026年第1四半期の訪日外国人による日本国内消費額は推計2兆3378億円(およそ147億8000万ドル)で、前年同期比2.5%増となった。

国・地域別では台湾が3884億円で首位となり、以下、韓国が3182億円、中国が2715億円、米国が2592億円、香港が1482億円(およそ9億4万ドル)と続いた。

ただし、すべての事業者が恩恵を受けているわけではない。日本国内で中国人が経営する民泊の多くは大きな打撃を受けている。

訪中日本人旅行者は激減

一方で、中国を訪れる日本人旅行者は大幅に減少している。共同通信によれば、日本の大手旅行会社で中国方面を担当する関係者は、予約取り消しが急増し航空便も縮小したことから、日本から中国への旅行者はおよそ9割減少したと明かした。

中国の観光地で働く日本語ガイドも失業の危機に直面している。西安・兵馬俑景区で30年以上のキャリアを持つ日本語ガイドはソーシャルメディア上で、今年は日本人観光客を一人も担当できていないと明かした。

高杉