パウエル議長最後のFOMC FRBは金利据え置き

2026/04/30
更新: 2026/04/30

4月29日、米FRBは4月の金融政策会合で、政策金利を据え置くことを決めた。政策金利の誘導目標は、3.5〜3.75%に維持された。市場では、パウエル氏がFRB議長として臨む最後の政策会合で、どのようなメッセージを発するのかに注目が集まっていた。

インフレが高止まりし、労働市場も安定しているように見える中、イラン戦争による価格上昇への影響もあり、FRBは引き続き様子見の姿勢を取るとの見方が広がっていた。追加利下げは当面見込みにくいとみられている。

シカゴ・マーカンタイル取引所のFedWatchツールによると、市場はFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)が4月会合で金利を据え置くことを100%織り込んでいた。

市場は、労働市場とインフレの動向にも注目している。インフレ率は高止まりしており、FRBが目標とする2%を上回る状態が続いている。

FRB声明

FRBが29日に発表した声明によると、最近の指標は、アメリカの経済活動が着実に拡大していることを示している。一方で、雇用の増加ペースは低い水準にとどまり、失業率はここ数か月ほぼ横ばいで推移している。また、インフレは高止まりしており、その一因として、最近の世界的なエネルギー価格の上昇が挙げられている。

FRBは、長期的に雇用の最大化と2%のインフレ率を実現するという目標を維持するとした。

声明では、「中東情勢の展開により、経済見通しをめぐる不確実性は一段と高まっている。委員会は、雇用の最大化と物価安定という二大責務に対するリスクを注視している」とした。

そのうえで、委員会は金融政策会合後、政策金利の誘導目標を3.5〜3.75%に据え置くことを決定した。

声明は、「誘導目標を追加的に調整する幅や時期を検討するにあたって、委員会は最新のデータ、変化する経済見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」としている。

また、「適切な金融政策の姿勢を判断するにあたり、委員会は最新情報が経済見通しに及ぼす影響を引き続き注視する。委員会の目標達成を妨げるリスクが生じた場合には、必要に応じて金融政策の姿勢を調整する用意がある。委員会の評価では、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融・国際情勢など、幅広い情報を考慮する」と補足した。

FOMC内の意見対立が鮮明に

4月会合の採決は当初、波乱なく終わるとみられていた。しかし結果は、FRB内部の意見の隔たりが広がっていることを示した。FOMCの12人のメンバーのうち4人が反対票を投じ、最終的には8対4で金利据え置きが決まった。

FOMCで4人の委員が反対票を投じたのは、1992年10月以来となる。

2025年9月にFRB入りして以降、トランプ大統領が指名したスティーブン・ミラン氏は、0.25%ポイントの利下げを一貫して支持しており、今回も反対票を投じた。

ほかに反対票を投じたのは、クリーブランド連銀のベス・ハマック総裁、ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁、ダラス連銀のロリー・ローガン総裁の3人である。3氏は金利据え置きには賛成したものの、声明に利下げを示唆する文言を盛り込むことには反対した。

3氏が異議を唱えたのは、声明にある「金利の誘導目標を追加的に調整する幅と時期を検討するにあたって、委員会は最新のデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」という一文だった。

3氏は、「追加的に」という表現が、次の一手として利下げを示唆しかねないとみている。

ハマック氏、カシュカリ氏、ローガン氏をはじめ、複数のFRB当局者は、インフレが長引くリスクに警戒を示してきた。物価上昇が続けば、FRBは高めの金利水準を維持する必要がある。一方で、FRBは2025年後半以降、金融緩和に傾く姿勢を示してきた。

パウエル議長、任期中最後の記者会見に注目

パウエル氏のFRB議長としての任期は5月15日に終了する。パウエル氏はこれまで、後任が承認されるまで、暫定的に議長職を続ける考えを示している。

トランプ米大統領がFRB議長に指名したケビン・ウォーシュ氏は29日、上院の関連委員会で承認手続きを通過した。これにより、パウエル氏の任期満了前に上院本会議で承認される可能性が高まっている。

林燕