イラン 中国・香港企業通じてドローン部品入手

2026/04/06
更新: 2026/04/06

米国のインテリジェンス企業「ストライダー・テクノロジーズ(Strider Technologies)」は、最新の調査報告書において、イランが世界規模のフロント企業と調達ネットワークを駆使し、国際的な制裁を組織的に回避していると指摘した。報告書によると、イランは自爆型ドローン部隊を維持・拡大させるため、中国から主要な部品を調達しているという。

ストライダー社は、長年にわたる貿易制限にもかかわらず、イランが軍民両用(デュアルユース)の重要部品の入手に成功していると述べている。報告書は特に、サプライチェーンにおいて中心的な役割を果たしている中国および香港の企業を名指ししたが、これらの企業は今年3月中旬の時点で、依然として西側の制裁リストに含まれていない。

「ドローン界のAK-47」が戦場の中心に

報告書は、「ドローン界のAK-47」と称される自爆型ドローン「シャヘド136(Shahed-136)」が、イランの軍事的拡張を象徴する兵器になっていると強調した。

低コストで大量生産が容易なこのドローンは、航続距離が2千キロメートルを超え、ロシアに輸出されてウクライナ戦場に投入されているだけでなく、最近では中東の紛争でも頻繁に使用されている。2026年2月末に紛争が激化して以来、イランは湾岸諸国に対し、推定で約3千600機のドローンを発射したとされる。

中国・香港企業が担う鍵となる調達の役割

調査の結果、イランのサプライヤーである「Pars Aero Institute Kerman(以下、Pars Aero)」が調達ネットワークの中核であり、同社がイラン軍と明確なつながりを持っていることが判明した。

報告書は、Pars Aeroが香港の「Foxtech Hobby(フォックステック・ホビー)」およびその天津にある関連企業「匯星海科技(Huixinghai Technology)」と協力し、軍民両用部品を入手していることを暴露した。

調査によれば、匯星海科技は中国共産党軍や中国共産党の法執行機関と深い関係にある。また、Foxtech Hobbyの香港の所在地は、以前すでに米国から制裁を受けた別の3社と全く同じ住所であった。

複雑なグローバル転送ネットワーク

国際的な監視を逃れるため、これらの精密部品は通常、複雑な転送経路をたどる。ウクライナが2023年にG7諸国へ提出した資料では、トルコ、インド、ベトナム、およびアラブ首長国連邦(UAE)が制裁回避のための主要な物資運搬路になっていると指摘した。

また、国連の調査では、スウェーデン製のハイテク部品がインドの「食品貿易ペーパーカンパニー」を経由してイランに送られていたことも判明している。これらの部品はその後ドローンに組み込まれ、2019年5月と9月に行われたサウジアラビアの石油施設への攻撃に使用された。

専門家:制裁遵守は最低限のハードルに過ぎない

ストライダー社の共同創設者兼CEOであるグレッグ・レベスク(Greg Levesque)氏は、現行のコンプライアンス手続きでは、現在の地政学的課題に対応するには不十分であるとの見解を示した。

「わが社の最新の研究は、イランがいかに世界の商業サプライチェーンを組織的に利用し、ドローン計画を維持・拡大しているかを明らかにしている」とし、「単に制裁規定を遵守するだけでは、サプライチェーンの奥深くに潜む、間接的な関係から生じるリスクを排除することはできない」と強調した。

ストライダー社は、各種組織がサプライチェーンのパートナーを評価する際、「制裁遵守を最高基準ではなく、最低限のハードルと見なすべきだ」と提言している。

報告書は、企業が制裁リストのみに頼ってサプライチェーンのリスクを管理すれば、法的責任やレピュテーション(評判)の毀損、さらには将来的に自社製品がイランの兵器システムから発見されるリスクにさらされることになると警告している。

未だ残る制裁の抜け穴

イランの主要なドローンメーカーであるシャヘド航空産業(Shahed Aviation Industries)、ゴドス航空産業(Qods Aviation Industries)、イラン航空産業(HESA)などは、すでに制裁リストに名を連ねている。しかし今回の報告書は、民間の商業部品と仲介ネットワークを通じて、イランが依然として強大な生産動能を維持できている実態を示した。

2026年3月12日の時点で、サプライチェーンにおいて重要な役割を果たしているPars Aero、Foxtech Hobby、および匯星海科技の3社は、米国や同盟国のいかなる制裁リストにも掲載されていない。

陳霆