イラン政権内部に分裂が進んでいると伝えられた。ロンドンに本拠を置くイラン反体制系メディア「イラン・インターナショナル」は28日、ペゼシュキアン大統領とイラン革命防衛隊のワヒディ司令官の間で深刻な対立が起きていると報じた。報道によると、ペゼシュキアン氏は、革命防衛隊が緊張を高め続け、周辺国への攻撃を繰り返していることに不満を示し、戦火が収まらなければ、イラン経済は3週間から1か月以内に全面的に崩壊しかねないと警告したという。
関係者によると、双方は、戦争の主導権を誰が握るのか、また衝突が民生や経済に与える打撃をどうみるのかをめぐって、立場の違いを鮮明にしている。
ペゼシュキアン氏は、革命防衛隊が衝突を拡大し続ければ、イランはさらに深刻な経済的代償を払うことになると批判し、行政権を政府に戻すよう求めた。一方、ワヒディ氏は政府側を非難し、衝突が起きる前に当局が構造改革を進めなかったことが、事態をここまで悪化させた原因だと主張した。
イスラエルのメディアもイラン内部の分裂を伝えている。「タイムズ・オブ・イスラエル」は最近、イスラエル政府高官の話として、イラン政権内にすでに亀裂が生じていると報じた。報道では、イスラエルは同政権崩壊の条件づくりを進めているものの、最終的な結果はイラン国民自身に委ねられるとの見方が示された。
その一方で、イラン国内の経済情勢も一段と悪化している。
報道によると、食品価格は高騰を続け、時間単位で値上がりするケースまで出ている。主食の一部は、開戦前に比べて少なくとも5割高くなったという。さらに複数の都市からは、多くのATMで現金切れや故障が相次いでいるとの情報も出ている。イラン最大の銀行、バンク・メリを含む複数の主要銀行では、インターネットバンキングの障害も相次いでいる。この3か月間、多くの従業員の給与や福利厚生の支払いも滞っているという。
注目されるのは、ペゼシュキアン氏が今月初め、動画を通じて国民に謝罪し、イラン軍による周辺国への攻撃について遺憾の意を表明したうえで、こうした攻撃の停止を命じていた点だ。しかし、その発言の後もイランの対外攻撃は続いたとされ、大統領の表明では強硬派を抑え切れていない実情がうかがえる。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。