英国 中共メガ大使館を承認 国安リスクに懸念

2026/01/21
更新: 2026/01/21

英政府は、中国共産党(中共)がロンドンの旧王立造幣局跡地にメガ大使館を建設する計画を承認したと発表した。7年にわたって続いてきた審査に終止符が打たれた。専門家からは、国家安全保障上の深刻なリスクがあり、イギリスの情報安全や金融システム、さらには同盟国との情報共有にも長期的な影響を及ぼすとの指摘が出ている。

英政府は、中共による大使館建設を条件付きで認めたとしているが、具体的な条件は明らかにしていない。この判断をめぐっては、政界や安全保障の専門家の間で懸念の声が相次いでいる。

英紙テレグラフが入手した大使館の図面では、建物の地下に最大208室の「秘密の部屋」が設けられる計画だ。その用途が情報収集や監視活動に関係するのではないかとの疑念が広がっている。

時事評論家の邢天行氏は、「この大使館は完成すればヨーロッパ最大規模となり、多数の職員が常駐することになる。立地は非常に敏感で、ロンドンの国際金融センターに位置し、機密性の高い金融情報を伝送する地下の光ファイバーケーブルが周辺を通っている。建設されれば、こうしたデータケーブルの近くに208の地下秘密部屋が設けられることになる」と指摘した。

このメガ大使館計画は2018年に初めて提起され、中共側は約2億5000万ポンドを投じて、旧ロンドン王立造幣局の敷地を取得し、新たな大使館用地としていた。

しかし、建設予定地がロンドン金融街に近く、重要なデータケーブルにも隣接していることから、新大使館が中共の諜報活動の拠点となり、イギリスの国家安全を脅かすのではないかとの懸念が広がり、計画は長年にわたり承認されてこなかった。

その後、2024年に労働党政権が発足し、スターマー首相が就任すると、中共側は計画を再提起した。反対の声が根強い中、最終的に承認に至ったが、分析では、論争の核心は国家安全保障上のリスクにあるとされている。

台湾国防安全研究院の沈明室研究員は、「仮にイギリス国内でこのような大規模な大使館が建設されれば、盗聴や通信に関わる設備などを公然と配備することが可能になる。これにより、イギリス軍の動向や、イギリスと他国との関係に関する動きを把握する恐れがある。情報活動の観点から見ても、中共にこれほど大きな施設を大使館として提供することには大きなリスクが伴う」と警告した。

イギリスの野党は、スターマー氏が国家安全を中国に売り渡したとして、厳しく批判している。

さらに、分析では、メガ大使館が完成すれば、イギリスだけでなくヨーロッパやアメリカにとっても脅威となり、中共当局による海外での抑圧行動が一層拡大する可能性があると指摘されている。