台湾の中天テレビ(CTi TV)の記者兼キャスターである林宸佑容疑者が、スパイ活動に関与した疑いで捜査を受けている。台湾の検察・捜査当局は1月17日、国家安全法、汚職治罪条例、刑法の秘密漏えい罪の疑いで、林容疑者と現役および退役の軍人計6人について、勾留および接見禁止を裁判所に請求し、認められた。
これを受け、台湾の政党「台湾基進」は19日、中天テレビ本社前で記者会見を開き、「本件は記者個人の問題にとどまらない」と強調した。メディアが中国共産党(中共)の浸透工作の道具となるべきではないとして、事件における中天ニュースの関与について、徹底的な調査を求めた。
台湾基進・台北市党部の主任委員である呉欣岱(こ きんたい)氏は、「林記者の資金の流れや担当業務の内容と、軍人に自白映像の撮影を求めた時期が重なっているかどうかを、時系列で詳しく確認しなければならない」と指摘した。さらに、「問題の映像が中天テレビのプラットフォーム上で使用され、台湾社会に対して『降伏論』や『亡国感情』を繰り返し拡散していなかったかについても、徹底的に検証する必要がある」と述べた。
その上で呉氏は、「記者個人の行為だけでなく、中天テレビ内部の取材プロセス、所属部署、指示の出所、情報の入手経路、さらには林記者の取材任務が割り当てられていた期間との間に、何らかの関連性がなかったのかを確認すべきだ」と訴えた。
また、「仮に関連性が認められる場合には、資金の流れを徹底的に調査するとともに、制度的な黙認や看過、さらには中天テレビ側による協力がなかったかどうかについても、厳密に検証すべきだ」と強調した。
そして、「調査は記者個人の行為にとどまってはならない」と強調し、「背後にある中天テレビという報道機関が、今回の一連の事件において果たした役割と、負うべき責任を明らかにする必要がある」と指摘した。
一方、台湾基進の王興煥(おう こうかん)主席は、「中天テレビは放送免許停止後、セルフメディア(ネット媒体)へと活動の軸足を移した」と指摘。その上で、「中天テレビに限らず、セルフメディアも含めて規制の対象とする『デジタル仲介法(SNSなどのデジタルプラットフォームを規制する法律)』が必要だ」と主張した。
王氏は、「現在はデジタル仲介法が存在しないため、国家安全を揺るがしかねない言論が広がっても、具体的なスパイ事件がなければ対応が難しい」と述べ、国安上の空白を埋めるための立法の必要性を強調した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。