政府 外国人共生へ「秩序」重視の意見書を受領

2026/01/18
更新: 2026/01/18

小野田外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣は、14日、「外国人との秩序ある共生社会の実現のための有識者会議」の林座長から「外国人との秩序ある共生社会の実現のための有識者会議意見書」の手交を受けた。林座長は、昨年11月の会議設置以来、委員全員が真摯に議論を重ねた成果であるとし、政府に対してその内容を踏まえた取組の推進を求めた。

これに対し小野田大臣は、意見書の内容を重く受け止めるとともに、関係大臣と連携し、今月中を目途に政府としての基本的な考え方や取組の方向性を示す意向を表明した。

令和8年1月14日、林座長から意見書の手交を受ける小野田大臣(出典:内閣府ウェブサイト)

在留外国人の急増と社会的不安への対応

本有識者会議における検討の背景には、我が国における在留外国人の急増がある。令和7年6月末時点で在留外国人数は過去最高の約396万人に達し、平成16年と比較して約2倍に増加した。多種多様な国・地域からの外国人が地域や産業を支える一方で、多数の外国人の在留を前提としていなかった既存制度の限界や、一部の外国人による社会規範を逸脱する行為に対して、国民の間で不安が高まっている現状があった。

こうした状況を受け、令和7年11月に開催された「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」において、高市総理は「既存のルールの遵守・各種制度の適正化」および「土地取得等のルールの在り方を含む、国土の適切な利用及び管理」についての検討を指示していた。本意見書は、この指示に基づき、「秩序」と「共生」の両立を目指して取りまとめられたものである。

意見書の骨子と主要な提言

提出された意見書では、外国人の排除を意図するものではないと前置きした上で、国籍に関わらずルールを厳正に運用する「秩序ある共生」の必要性が強調された。

日本語・社会規範学習の制度化 

もっとも注目すべき提言の一つが、外国人が入国前後及び入国後に日本語や日本の社会規範を継続的に学ぶプログラムの創設である。意見書は、国が責任を持ってこのプログラムを提供すべきとし、さらに中長期在留者に対しては、当該プログラムへの参加などを在留の条件として検討することを求めた。

行政間の情報連携強化

在留外国人の適正な管理と権利保障の両面から、出入国在留管理庁と他の行政機関(税・社会保険関係等)や地方公共団体との間での情報共有・連携の強化が必要であると指摘された。

土地利用・管理の適正化

土地取得に関しては、生活レベルと安全保障レベルの双方から課題が整理された。所有者不明土地問題や、一部の大都市部で見られる外国人等によるマンションの短期売買・投機的取引への懸念を踏まえ、不動産登記における国籍把握の仕組みや、実態調査の推進が求められた。安全保障の観点からは、法の支配を前提としつつ、諸外国の規制や国際約束との整合性を考慮した更なる検討が必要とされた。

今後の予測と展望

今後の政府の動きとして、まずは小野田大臣が明言した通り、令和8年1月中に「外国人との秩序ある共生社会の実現」に向けた政府の基本的な考え方や取組の方向性が示される見通しである。

また、本意見書の内容は、同時期に予定されている「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」の改訂や、次期「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」の策定にも影響を与えることが予想される。特に、日本語学習プログラムの義務化(在留条件化)や土地所有者の国籍把握といった具体策が、どの程度のスピード感と法的強制力を持って実装されるかが今後の焦点となる。

政府は、人口減少下において外国人を社会の一員として受け入れる必要性と、国民の安全・安心を守るための秩序維持という、難しい舵取りを迫られることとなる。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。