2026年秋に予定されている沖縄県知事選挙に向け、自民党や経済界などで構成される候補者選考委員会は、那覇市副市長の古謝玄太(こじゃ げんた)氏(42)の擁立を全会一致で決定した。
現職の玉城デニー氏に対し、保守陣営は若さと行政実務経験を兼ね備えた「刷新感」のある候補者を立てることで、県政奪還を狙う。本件の背景と、今後の選挙戦の展望について記述する。
若さと実務能力への期待
今回の候補者選定において、古謝氏が選ばれた背景には、保守陣営の「強い現職に勝てる新しい顔」への渇望がある。
古謝氏は那覇市出身で、東京大学卒業後、総務省に入省した。長崎県財政課長や内閣官房での沖縄振興担当などを歴任し、国・地方の両方で行政手腕を磨いてきた。2022年の参院選では落選したものの、その後那覇市の副市長として市政の最前線に立ち、若手ながら確かな実績を積み上げてきた点が評価された。
保守陣営の結束と世代交代
選考の過程では、中山義隆石垣市長や松本哲治浦添市長ら有力な首長の名前も挙がったが、最終的に42歳の古謝氏で一本化した。ベテラン層から若手への世代交代を印象づけ、変化を求める浮動票や若年層の支持を取り込む狙いだ。
知事選は、現職・玉城デニー氏と古謝氏による事実上の一騎打ちとなる見通しだ。焦点は以下の3点に集約される。
1. 争点の多様化と「経済」の強調
これまでの沖縄県知事選は、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題が最大の争点となってきた。しかし、工事が進展する中で「辺野古反対」の一点張りでは限界があるとの見方も強い。古謝氏は副市長としての経験を活かし、スタートアップ支援や観光振興、子育て支援など「暮らしと経済」を前面に押し出した政策を展開し、現職との差別化を図るものと予測される。
2. 「県民党」としての広範な結集
古謝氏は擁立決定後の会見で「様々な立場の人が明日に希望を持てる社会」を目指すと述べた。自民の支持基盤を固めるだけでなく、日本維新の会や国民民主党、さらには中道・保守層を幅広く取り込む「県民党」的な枠組みを構築できるかが、勝敗を分ける鍵となる。
3. 政党再編の影響
現在、国政では自公連立の枠組みに変化が生じており、沖縄においても各党の足並みが揃うかが不透明な部分がある。特に、これまで「自公対オール沖縄」という対立構造の要であった公明党がどのようなスタンスで古謝氏を支援するかが、組織戦の行方を左右する。
古謝氏の擁立決定により、2026年の沖縄は早くも政治決戦の熱を帯び始めている。現職の知名度と「オール沖縄」の結束力に対し、若き実務家がどのようなビジョンを提示し、県民の信頼を勝ち取っていくのか。その動向が注視される。
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