中国の内モンゴルで24歳の男性が「外の世界が疲れすぎる」と自ら無免許運転を通報、拘留所入りを望む衝撃事件。行政拘留15日・罰金2000元(約4万5千円)で若者のプレッシャー問題がネットで大炎上。社会の休息手段不足を指摘する声が高まる。
ニュースサイト「海報新聞」と「大象新聞」による12月29日の報道を総合すると、最近、内モンゴル自治区チーフォン市紅山区公安分局交通管理大隊に、24歳の男性・張氏から電話が入り、自ら「無免許運転をしている」と通報した。14分後、警察は紅山区の三道東街と微信路の交差点で、張氏が運転する乗用車を停止させた。車の窓を下ろした張氏は、警察の質問に対し「プレッシャーが大きすぎて、ちょっと中に入りたかったのです」と答えた。
調べたところ、張氏が確かに無免許運転をしており、運転していた車は友人から借りたものだったことが判明した。彼には2000元(約4万5千円)の罰金と行政拘留15日が言い渡された。
ネット上で拡散した動画では、この男性が警察に向かって「外の世界があまりにも疲れる。中に2日ほど入りたい。生活のプレッシャーが大きすぎる」と話している様子が映されている。この出来事をきっかけに、「男性が自ら通報『外の世界が疲れすぎるので中に2日入りたい』」というハッシュタグがついた話題がネット上で大きな注目を集めた。
ネットユーザーの同情と皮肉コメント集
ネットユーザーたちは次々とコメントを寄せ、同情と皮肉が入り交じった声が上がった。
「24歳の男性が無免許運転を自ら通報して拘留を求めた──『つらい』の一言に、どれほどの無念が隠されているのか」
「まだ若いから、プレッシャーも負担も少ない。もし上に親、下に子どもがいたら、入りたいなんて思ってもできないよ」
「2000元あれば老人ホームに半月泊まれる」
「宿泊費2000元?」
「2000元ならホテルに泊まった方がマシだ」
「まさか牢屋に入りたい人が出るとは? ホテル業界も“監禁ごっこプラン”でも作ればいいんじゃないか」などの声が上がった。
「人は失って初めて大切さを知るもの。中は想像しているほど良い場所じゃないだろう?」
「半月しっかり体験してくるといい。出てきたときにはきっとわかるはずだ──拘留所でも刑務所でも、“自由でいられる時間”というのは究極の贅沢品だと」といったコメントも見られた。
解説者の分析:違法行為を「休止ボタン」に使う社会の闇
オリジナル動画のクリエイター「辛之鋒刃」は、次のようにコメントしている。
「この出来事で本当に不安を感じるべきなのは、無免許運転で拘留されたことそのものではなく、違法行為を『強制的な一時停止ボタン』として使う人が現れ始めているという点である。若者が拘留所に入らなければ仕事・人間関係・生活の重圧から解放されないと感じるというのは、現実社会が彼を受け入れる余地をほとんど失っていることを意味している。
かつて、人々がプレッシャーから逃れる手段といえば、有給休暇、旅行、退職などで、少なくとも合法的な生活の枠内で出口を探していた。だが今では、違法行為によってシステム管理下に入ることを選ぶ人が現れた。これは法律への挑発ではない。むしろ現実生活に対して制御不能を感じる中で出た極端な反応なのであり、彼は代償をわかっていないのではなく、現実の方が代償よりも耐えがたいと感じているだけなのである。
……この出来事が私たちに突きつけるのは、若者が弱すぎるという話ではない。もっと現実的な問題だ──社会が耐えろということしか許さず、合法的に立ち止まる余地を与えない時、極端な選択が出口と誤解されてしまう。そして本当に必要なのは、同情でも嘲笑でもない。違法に走らなくても、少し息を抜ける現実的な選択肢なのである」
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