日本の経済評論家・渡邊哲也氏は次のように述べた。
「中国の思惑とは違う方向に動いている、というのが今の日本の状況ではないかと思います。GDP比で0.3%ぐらい、金額にして2兆円ぐらいと言われていますが、これが全部なくなるわけではありません。今、日本はオーバーツーリズムで、受け入れきれない状況になっています。日本人の旅行も難しく、ビジネスマンが東京や大阪に泊まろうとしてもホテルが取れないという状況で、実業にマイナスが出ている」
大量の中国人観光客が日本を訪れることで、一部の中国人は商機を見出し、日本で旅行会社、免税店、飲食店などを設立してきた。渡邊哲也氏は、中共の旅行禁止令は、こうした人々に最も大きな影響を与えると分析している。
渡邊哲也氏
「中国のビジネスモデルはいわゆる一条龍(ワンストップ)で、中国系の観光バス会社、中国系のホテル、中国系の食事処・レストランを使って、日本国内に利益がほとんど落ちない、売上ができても、最終的な利益が全部中国に戻ってしまう。一番大きなダメージを受けているのは、中国系の民泊業者や「一条龍」の仕組みに入っている業者です、中国が作った日本国内のネットワークが壊れる可能性があります」
在日華人が構築してきた商業ネットワークが打撃を受けるだけでなく、渡邊哲也氏は、旅行禁止令が中国本土の一部の企業や個人にも影響を与えていると指摘する。
渡邊哲也氏
「あとは本国ですね。資本の回収ができなくなります。例えば中国に住んでいる中国人が民泊を経営していて、本土の資金が流れてきているケースもある。逆に言うと、旅行業者も航空会社も、中国の航空会社がメインです。国有航空会社が日本便が飛べなくなって損をする。旅行会社も日本へのツアーが組めなくなって損をする、という形です」
日本の『産経新聞』も報道の中で、中国市場への依存度が高い中国系企業が、今回の旅行禁止令における最大の被害者になっていると指摘している。
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