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北米軍「サンタ追跡」子供たちに喜びを届け70年 今年はネットから電話可能に

2025/12/25
更新: 2025/12/25

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、長年にわたりクリスマスイブの軍事任務を、「サンタ追跡」という夢のある季節の行事へと塗り替えてきた。そして今年、世界中の子供たちに喜びを届けるこの活動は、大きな節目を迎える。

1955年に始まったレーダーによるサンタ追跡は今年で70周年を迎えるが、その人気が衰える気配は全くない。

コロラド州コロラドスプリングスのピーターソン宇宙軍基地にある本部では、1,000人を超えるアメリカとカナダの制服組隊員、国防総省職員、そしてボランティアが集結し、サンタの追跡と、NORADホットラインに寄せられる熱心な子供たちからの電話応対にあたる。

山岳標準時のクリスマスイブ午前4時から深夜0時まで、参加者は電話番号「1-877-HI-NORAD」、そして今年からは初となるNORADのウェブサイトを通じて直接、着信を受け付ける。

ウェブサイト上では、NORADの「北方警戒」レーダーシステムを使用してサンタの居場所をリアルタイムで追跡するインタラクティブな地図も公開される。

カナダ北部とアラスカに張り巡らされた49の設置施設を通じて、レーダーはサンタが北極を出発した瞬間を捉え、その世界中への旅路を追跡する。

NORADの高官は、「NORADはサンタを追跡しているが、ルートを知っているのはサンタ本人だけだ。したがって、いつ、どこで君の家に到着するかを予測することはできない」と語った。

ドナルド・トランプ大統領とメラニア夫人は、フロリダ州パームビーチの邸宅「マー・ア・ラゴ」から、サンタ追跡ホットラインにかかってきた子供たちの電話に自ら応対し、「祝祭の精神(Holiday Spirit)」やクリスマスの喜びを分かち合った。

子供たちとの会話は、休日に関する質問から欲しいものリスト、今年のクリスマスへの願いまで多岐にわたった。

今年アマゾンのKindleを欲しがったある子供に対し、トランプ大統領は「君はIQの高い人に違いない」と語りかけた。また、オクラホマ州から電話をかけてきた2人の子供には、「サンタは君たちを愛している。サンタも私と同じようにオクラホマが大好きだ。知っての通り、オクラホマは選挙で私をとてもよく支持してくれたんだ」と伝えた。

昨年、NORAD本部には30万件以上の電話が寄せられた。ウェブサイトにはバーチャルな「北極の村」があり、音楽やゲームセンター、ギフトショップ、シアター、カウントダウン、そして9ヶ国語に対応したライブラリが用意されている。

この伝統の起源は冷戦時代にさかのぼる。あるデパートの広告に、子供たちがサンタに電話するための番号が誤って記載されたことがきっかけだった。

一人の少年が、現在のNORADである「中央防衛航空軍(CONAD)」に繋がってしまい、欲しいものリストを暗唱しながらクリス・クリングル(サンタの別名)と話したいと頼んだ。

当直将校だったハリー・シャウプ大佐は、この間違い電話に合わせて振る舞うことを決め、レーダーシステムでサンタの居場所を見張っておくと少年に約束した。その瞬間から、連日多くの電話がかかってくるようになり、新しい伝統が誕生したのである。