高市早苗内閣が全閣僚と家族の資産を公開した。首相本人の資産は約3206万円とされ、中国のネット空間では「中共の急所を突いた」「村長以下」と衝撃と称賛の声が殺到。反日感情が根強いはずの中国で、なぜ日本の首相に「ファン」まで生まれたのか。資産公開があぶり出したのは、中共の汚職体質と統治正当性への深い不信だった。
12月5日、日本の高市早苗内閣が、すべての閣僚とその家族の財産を全面的に公示した。現在の内閣は10月21日に発足しており、今回の公示は就任からおよそ1か月半後、規定に基づいて実施されたものだ。
高市早苗首相の個人資産 申告によると、総額は3206万円(約146万元人民幣)で、19人の閣僚のうち第10位にあたる。
12月7日、あるプラットフォームの中国語人気投稿者「黄教授」が、「高市早苗が自身の財産を公示した」とだけ書いた短い投稿を発信し、そこに高市の顔写真を添えた。このわずか一句の超ミニ投稿が、中国のネットユーザーが強く関心を寄せる「官僚の財産公開」という話題に直撃を与えたうえ、ちょうど日中関係の緊張が続く時期に重なったこともあり、大きな反響を巻き起こした。投稿からわずか19時間で、コメントは7899件、いいねは1万件を超えた。
あるネットユーザー「独釣寒江雪」はこう書いた。「私は通りすがりで6958件のコメントを読みましたが、驚くほど内容がみんな同じ(称賛)でした」
さらに他のユーザーも、「めったにない一致した声だ」「上位に上げて、この投稿が消されないように」「同胞たちよ、ついに目が覚めたな」と書き込んだ。
筆者も7550件のコメントを一つずつ読んだが、まったく同じ感想を抱いた。異論を唱える人はほとんどおらず、数えるほどだった。
ご存じの通り、官僚の財産公開は腐敗防止の切り札である。ベトナムを含む世界137か国で制度として定着している。
では中国ではどうだろう? 全国人民代表大会で何度も提案が出され、民間からも強い要求があるにもかかわらず、腐敗が蔓延する中国共産党はそれを極度に恐れ、制度として採用しようとしない。そのため国民の不満は積み重なっている。今回の高市内閣による公開は、そんな中国のネットユーザーに爆発のきっかけを与え、中共批判の火力が一気に高まった。
では、ネットユーザーたちはどんな鋭いコメントを残したのだろうか。いくつか見てみよう。
高市内閣の資産公開 見えない形で中共の「急所」を突く
こう問う人がいるかもしれない。「中共の急所とは何なのか?」
中国のネットユーザーにとって、官僚の財産公示こそが「中共の急所」なのだ。つまり、中国共産党が絶対に死ぬまでやらないことの一つである。
その論理関係はこうだ——中共が日本と対立して強硬に出ようとしても、いざ日本が「財産公開」という一手を打ってきたら、完全に手詰まりになる。たとえるなら、浜崎あゆみが上海で「無観客ライブ」を開いた際に中共が対応できず、完敗したのと同じだ——
「早苗のこの一手、ちょっとエグい。俺たち男ども、立つ瀬がないじゃないか!」
「うわ、この手は強すぎる。受け止められん!」
「終わったな、この一手、マジで強烈すぎる」
「これは毒手だ!この勝負、彼女が必ず勝つ!」
「型破りな一手だ。急所を突かれてどうにもならん」
「相手の弱点を熟知していて、一撃一撃が急所。勝敗はすでに決まっている」
「まさに急所にメスを入れた。微妙な時期にだぞ。俺たちはどう反応すればいい? 堂々と? それとも転げ回って?」
「高市のこの一手で、相手は『歴史の正しい側に立つ』なんて言葉も口にできなくなった。完全に沈黙だ」
「高市が梯子をかけてくれると思ったら、まさかの奇手。しかも穴をさらに深く掘った。どうする、頭痛い」
「核兵器より威力があるわ。」「台湾海峡への介入よりダメージでかい」
「ついに本気の手を出してきたな。軍艦や空母よりずっと効く。実は外国人は俺たちの弱点を完全にお見通しだ。見てろ、まだ次の手がある。こっちはどう収拾つける?」
「はは、この流れはもう、みんな高市の側についたな」
「野蛮は文明を揺るがせない」「一晩考えたが、どう悪く言えばいいのか思いつかない。誰か教えてくれ」
「逃げ場のない公然の策だ。日本は嫌いだが、この手は高い次元だ。受けられない」
「最も単純で平凡な一手なのに、俺にとっては越えられない壁」「日本のこの女性、すごい。相手を恐れさせて頭も上げられない」
高市の資産額 比べてみたら村長以下?
首相という高い地位にありながら、高市氏の個人資産はわずか146万元(3206万円)。この額に中国のネットユーザーは衝撃を受けた。中共の腐敗官僚と比べると、信じ難いほどの差がある。彼らは腐敗の町長から村長までと横並びで比べ、最終的に「高市の財産は村長より少ない」と結論づけた——
「うちの県長でも秒殺レベルだな。はは、ここでは負けられん、うちも公開してみろ。」
「ふふ、ウチの三甲病院で調達担当の副院長を出せば、彼女を完全に圧倒できる」「ただの課員でも勝てるわ」
「立場の違いはさておき、これは本当に尊敬すべきこと。称賛に値する。俺たちはまだ到底そこまでできない。おそらく町長の家計よりも少ないだろう」
「この額じゃ村の支書クラスだ」「ウチの村長なら高市100人分は余裕。例:長辛店のあの村長」
「中央企業の課長が笑ってる」
「タバコ局の食堂で働く清掃のおばちゃんが笑ってる!」
高市の資産公開 以前は嫌っていた人々の目も一変
近年の中国共産党(中共)による反日的な感情扇動、特に高市氏が首相就任後に台湾関連で発した敏感な発言のせいで、多くの中国人は高市氏に対して先入観を持っていた。だが、今回の財産公開で、人々は彼女の新たな一面を見直した。言い換えれば、高市氏の行動は、中国で官僚の資産公開を望む人々の心理に共鳴したのだ。そこから派生して、「官僚が資産を公示することの正当性・正義性」が再確認された——
「こういう行動をするなら、今回はちょっとだけ見直すわ!」「ほかのことはともかく、この財産公示だけは高市早苗を称賛したい」
「彼女には問題も多いが、この財産公開の勇気だけは見習うべき。鉄は自らが強くなければ打てない」
「嫌いではあるが、正直に言うと、自分の財産を公にできる政治家は、その国民にとって良い官僚だ」
「高市早苗を褒めるのはこれが最初で最後。でも、これは本当に学ぶべきこと」
「この女は嫌われ者だが、清廉潔白な政治家でもある。この一点だけでも親指を立てたい」
「この人は好きじゃないけど、財産公開ってのはマジでスゴいことだ!!」
「一度くらい褒めるべきか迷う。でも財産公示したからな」「個人資産を公にする政治家には基本的な敬意を払うべき!」
「高市早苗には反対してるけど、財産公開の面では100%支持する! 私心のない政治家だけが国民のために尽くせる。こういう政治家がいる国、日本の繁栄は当然だ」
――見ただろう? こうして中国の人々は、感情面でも認識面でも、少しずつ立ち位置を変え始めている。
日本の首相に中国のファンが集まる
上記で高市早苗氏を「まず貶してから褒める」タイプの人々とは違い、以下のネットユーザーたちのコメントには明らかに「高市ファン」の気配が漂っている。日本の首相が規定に従って行った公正・清廉行為が、中国人から真心のこもった称賛を受け、「高市ファン」を自称する者まで現れたのだ。これこそ、中共が「死んでも公表しない」姿勢に対する中国人の強い不満を浮き彫りにしている。
「清廉で正直、国民のために全力を尽くす首相、もう悪く言うことなんてできない!」
「文明の光が輝いている!」「小高(高市)にいいね、よくやった!」「汚職せず、清貧で、廉潔清正こそ『いい官僚だ!』」
「この一点だけで、もう低評価は付けられない。」「よくやった、私たちはあなたを支持する!」「高市早苗、あなたには脱帽だ」
「正々堂々と人として立ち、堂々と官職に就くのなら、誰が支援しないはずがある?」
「70%を超える支持率、これは本当だ。」「突然、この女性が嫌いじゃなくなった」
「歴史的憎しみや民族感情を抜きにして考えれば、高市はやはり悪くない首相だ」
「この人に『いいね』を押すよ、もう何も言うまい」「今回は握っていたレンガを静かに置くことにした」
「もう本当に彼女を罵る気になれない。たった100数万元、車2台だなんて、なんということだ!」
「高市さん!これは『三十六計』のどの計を使ったんだ?」「高市早苗、すごいじゃないか!俺は高市早苗に一票!」「いいねする以外に何を言える?」
「これは中国の普通の家庭と同じくらいの資産だ。貧しい首相だな。これが本当に資本家の代弁者か?」
「筋金入りの『女漢子(頼もしい女性)』だ。君子は胸襟を広く持つ」「清廉で無私、無欲な人間だけが、大いなる力に立ち向かう勇気を持てる!」
「なんだか突然、彼女が好きになってしまった……」
中共外交部の「狼戦士」口調 ネットユーザーの笑いのネタに
数千件に及ぶコメントの中には、中共外交部の「戦狼」スポークスマンが記者会見でよく使う決まり文句や話し方を真似た投稿も多い。皮肉、嘲笑、自虐、ブラックユーモアが満載で、読むとつい笑ってしまう。
「高苗(高市)氏に対し、公開した財産情報を撤回し、土壇場で踏みとどまり、我々と向き合って歩むよう望む。誤った道をこれ以上進まぬように。高苗氏の公示した情報について、我々は断固反対し、対応する反制措置を取る!」
「この件の重大性は、直接の宣戦布告に等しい。叔父が我慢できても伯母は我慢できぬ!断固たる反制が必要だ。同時に高市早苗女史に忠告する。対抗の道をこれ以上進まぬよう、期限内に誤った(資産)公表を撤回せよ。そして中国人民に深く謝罪せよ」
「ふん!外交官は軽蔑の表情で彼女を一瞥し、平静かつ鋭く言い放った——『ノーコメント、自分でよく考えろ……』」
「これは罪深い資本主義による底なしの挑発だ。強く抗議し、高市に不当な行動(資産公開)を早急に撤回するよう促す。さもなくば断固として対等な反制を行う。」
「デマを流さず、信じず。高市早苗氏の個人資産公開に関しては、直接本人に聞けばよい。我々はコメントしない」
「他国の内政に干渉しない。次の記者、質問どうぞ」
ネット検閲を恐れず 文面の裏で習近平を揶揄
揺らぎ始めた「紅い王朝」政権は、民衆の口を塞ぐことに全力を注いでいる。ネット検閲の締め付けは増すばかりで、敏感語は膨大、「お茶飲みに呼ばれる(当局に呼び出される)」拘留、投獄が珍しくない。
それでも、勇気あるネットユーザーたちは正義の声を上げる。数千件のコメントの中には、中共を代弁する胡錫進、白岩松、張維為らの顔写真を晒す人もいれば、「見えない火鍋」という言葉で中共のトップ・習近平を風刺する者も——
「閲覧済み。各省、市、直轄市、県委員会、県政府へ通達」(習近平の口調のまね)
「高市は本を出してないの? 著作権料だけでもそんなに少なくないはずでしょ?」(習近平が公金で出版し巨額の印税を得ているとされる)
「人民を代表して全国民の財産を支配する」(習近平の大盤振る舞いを皮肉)
「ランランは笑って何も言わなかった」(オーストラリアで高級車を暴走させた『楊蘭蘭』が習近平の家族ではないかという噂を風刺)
結び
(インドの)モディの反腐敗:財産を公開し、旧紙幣を新紙幣に交換し、海外逃亡犯を国際指名手配——汚職を徹底一掃。
習近平の「反腐敗」:塀越しにレンガを投げ、肥溜めの周りでハエを叩くようなもの。見せかけの国際追及——やればやるほど腐る。
モディと習近平が並べば、どちらが正義の李逵で、どちらが偽者の李鬼か、一目瞭然。
上から下まで汚職だらけ、億単位が動くのが当たり前で、民は骨までしゃぶられても声を上げられない現実。
中共の「死んでも財産(汚金)は公表しない」という流氓(ごろつき・ちんぴら)ぶりを前に、ネットユーザーが中共を罵るのは中共の尻を蹴る行為であり、高市を称賛するのは中共の顔を打つ行為である。
ちょうど高市内閣の財産公開と同じ日に、ポーランド憲法裁判所が「ポーランド共産党を全面的に非合法化する」という重大決定を下した。
この知らせを聞いた中国のネットユーザーたちは拍手喝采した——「邪教(中共)を一掃するのは、すべての人の責任だ」「邪教組織(中共)は必ず禁止すべき、ポーランドはついに目覚めた!」
まさに本文の冒頭で引用したあのコメントのように——「同胞たちよ、ついに君たちは目を覚ました!」
中国人すべてが目覚める時、それは中共が終焉を迎える時である。
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