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国際 侮辱的対応にインド政府が抗議

日本行きのインド人女性 上海で足止め 中国の「領土主張」が影響

2025/11/27
更新: 2025/11/27

11月21日、日本へ向かう途中で上海浦東(ぷとう)国際空港に乗り継ぎのため到着したインド人女性が、中国当局に約18時間足止めされた。女性はすでに日本ビザを取得し、ロンドン発の便で日本行きへ乗り継ぐ予定だったが、中国側は「パスポートは無効」と告げ、次の便への搭乗を認めなかった。

女性の出身地は、インド北東部にあるアルナーチャル・プラデーシュ州で、中国ではこの地域を「藏南(チベット南部)」と呼び、自国領だと主張している。

女性によると、中国の入国審査官は嘲笑したり「中国のパスポートを申請しろ」と怒鳴ったりするなど、侮辱的な対応を取ったという。航空会社の職員も含め、全体的に「極めて粗雑で不親切だった」と話している。

足止めの間、女性には食事や水もほとんど提供されず、日本行きの便を逃したことでホテルや航空券の損失も発生した。

女性は「2024年10月に同じ経路で中国を経由した際は問題がなく、今回も出発前に中国大使館へ確認し、24時間以内の乗り継ぎならビザは不要と言われた」と説明している。

事態を知ったインド政府は強く抗議し「アルナーチャル・プラデーシュ州は疑いようのないインド領土であり、その住民がインドのパスポートで旅行するのは当然だ」と表明した。また、中国側の対応は国際民間航空の取り決めにも反する可能性があるとも指摘している。

最終的に、上海のインド総領事館が介入し、女性は夜遅くになってようやくパスポートを返され、出国することができた。

今回の一件は、日本へ向かう乗り継ぎの途中でも、領土をめぐる問題が個人の旅に影響を及ぼし得ることを示した。SNSの一部では「中国が領土主張する地域の出身者が足止めされるなら、尖閣諸島や沖縄周辺の問題にも同じ理屈が及ぶのではないか」と不安を示す声も出ている。

背景として、中国政府は沖縄本島を公式に領土主張しているわけではないが、尖閣諸島については明確に領有を主張している。また、過去には中国の学者や中国国営系メディアが沖縄の主権に触れる論調を示した例もあり、こうした事情が今回のニュースへの懸念とも結びついている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!