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元CIAエージェントが語る 中露「美女スパイ」の手口

2025/11/06
更新: 2025/11/06

元CIAエージェントが、中国とロシアによる「美女スパイ」を使ったハニートラップでアメリカの技術や国家機密が狙われている実態を証言。心理戦や長期的な関係構築による情報窃取のリスクが拡大している。

元エージェントのJ・マイケル・ウォーラー(J. Michael Waller)氏は、アメリカニュースメディア「FOXニュース」の取材に応じ、敵対国によるハニートラップを自らが実際に目撃し、経験したと語った。ウォーラー氏によれば、これらのスパイは機密情報を窃取したり、政治家を取り込んだりするなど、卑劣な手段でアメリカに対する優位を狙っているという。

ウォーラー氏は現在、シンクタンク「安全保障政策センター(Center for Security Policy)」で戦略政策上級分析官を務めている。

同氏はかつてポーランドに駐在していたが、当時、25歳前後の中国人女性が接触を試み、彼の職務に強い関心を示したという。接触を重ねるうちに彼女がスパイであると察知したウォーラー氏は、彼女が政府関係者だったため、直ちにポーランド当局に通報した。当局は数日以内に彼女を国外追放したという。

ウォーラー氏はまた、相手のスパイが自身の経歴を事前に詳細に把握しており、履歴書に記載のない情報まで知っていたことに驚いたと振り返った。

「彼らは人間の孤独心、快楽への欲求、他者とのつながりを求める気持ちなどを巧みに利用する」とウォーラー氏は語る。「彼らは性を武器として利用するのだ」と述べた。

中国とロシアが狙う米国技術者と政治家

今年初め、アメリカ国務省は中国駐在の職員や関連人員に対し、中国人との恋愛や性的関係を禁止する方針を発表した。違反者は中国からの退去を命じられる。この政策は、当時のニコラス・バーンズ(Nicholas Burns)駐中国大使が策定・実施したもので、トランプ大統領が1月に就任する以前から施行されていた。

ウォーラー氏は、ハニートラップは単なる性的誘惑ではなく、心理戦の一環であると指摘する。標的となるのは、アメリカの技術者やプログラマーのみならず、地方自治体職員や市長など、地域レベルの政治家にまで及ぶという。

「彼らは長期にわたって誘惑を続け、感情的な関係を構築する。そして少なくとも、標的となった相手を情緒的に依存させ、時には結婚や出産にまで発展させる。それこそが彼らの訓練内容である」とウォーラー氏は強調した。

一方、元ロシアの「セックススパイ」として知られるアリーヤ・ローザ(Aliia Roza)氏は、最近『ニューヨーク・ポスト』の取材に対し、外国の諜報員が新興技術や企業機密を得るためシリコンバレーを標的にしていると指摘した。

ローザ氏によると、「彼らは“甘い爆撃(スウィート・ボンバード)”と呼ばれる手法で、賞賛の言葉を並べたメッセージや自撮り写真、ビキニ姿の写真を送りつける」「自分は弱く孤独だと装い、『両親を亡くした』『学生でお金がない』などと語り、相手の“ヒーロー願望”を刺激するのだ」と述べた。

番組放送後、ウォーラー氏はSNS「X」に投稿し、「中国共産党(中共)やロシアの“ハニーたち”に利用され、裏切り者にされるな。彼らは長年、議員からプログラマーに至るまで、あらゆる層を狙ってきた」と警告を発した。

最後にウォーラー氏は、アメリカ国民に対し次のように助言した。
「もし中国出身の魅力的な女性が、あなたに過剰な関心を示し、明らかに不釣り合いなほど美しい場合――おそらく彼女はスパイであると考えたほうがいい」

林燕